既成概念を変える20世紀建築「ポンピドゥー・センター(Centre Pompidou)」

既成概念を変える20世紀建築「ポンピドゥー・センター(Centre Pompidou)」

はじめに

ポンピドゥー・センターはフランスのパリにあります。ジョルジュ・ポンピドゥー元大統領がパリに芸術拠点を作る構想をし、1977年に完成した建物です。今見ても前衛的なその外観は当時は当然のごとく批判の的であったようです。

今でこそパリには現代建築が点々と現われてきていますが、ポンピドゥー・センターは新しい風をパリの街に吹かすものであったに違いないと思います。その新しい風を感じようと訪れる来館者は予想を上回る数であったそうです。そんな革新的な建物、ポンピドゥー・センターを建築視点で紹介したいと思います。

共作の実現

ポンピドゥー・センターの設計者はコンペで選出され、そのコンペの委員長はジャン・プルーヴェが務めました。ジャン・プルーヴェは建築家ですが、家具デザインの印象の方が強いです。そのコンペで選出されたのが、レンゾ・ピアノリチャード・ロジャース、チャンフランコ・フランキー二3名による案です。

更にそこには稀代なセンスを持ったアラップの構造家、ピーター・ライスも参画しています。ピーター・ライスはシドニー・オペラハウスの構造を担当したことでも有名です。レンゾ・ピアノ、リチャード・ロジャースは今や世界を代表する建築家です。そんな2人がコラボレーションして完成したのがこのポンピドゥー・センターなのです。

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露出する配管

ポンピドゥー・センターの特徴は設備配管が露出している点にあります。一般的な建物の構成は建物の内側に設備配管を隠すように納めていきますが、ここではそれらを外に出して外観デザインとしています。その利点は展示などのある内部スペースを広く確保できるところにあります。

建物を見渡すとそれらの線状に走る配管や構造には配色されていることが分かります。実はそれらの色にはコードがあるのです。

【ポンピドゥー・センターの配管カラーコード】
青:空調
緑:水道
黄・橙:電気
赤:階段、エスカレータ、エレベータの機械室とシャフト
白:構造体、大きな空調
銀:階段・エレベータの構造体

ポンピドゥー・センターの正面(広場側)から見て分かりやすいのは斜めに走るエスカレータの裏に塗られた「赤」だと思います。建物の裏側には他の様々な色の設備配管を見ることができるので、それらの色を確かめながら想像をするというのもこの建物の楽しみ方の一つではないかと思います。

内部構成

ポンピドゥー・センターは7階建で、1〜3階までが図書館機能、4〜6階までが美術館機能がメインで入ります。その建物内には他に2つの映画館や会議室、最上階にはカフェやレストランが入り、複合文化施設となっています。

エントランスに入ると天井には青(空調)の配管が張り巡らされていることが分かります。そして外に飛び出たエスカレータの横にはエスカレータに沿って橙(電気)のボックスが走っています。しかし美術館の中に入るとそれらの配管は全て白で塗られていました。そこには飽くまで作品への配慮が含まれていました。

おわりに

現代美術を発信する建築が内包するものの魅力に劣っていては発信力が弱まってしまいます。ポンピドゥー・センターは前衛さが既成概念を否定することで生まれた新たな風そのものだと思いました。セオリーが建築を閉じ込めていることはまだまだありそうです。

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