建築が作り出すグランクラスの空間「日立駅」

建築が作り出すグランクラスの空間「日立駅」

はじめに「デザイン監修・妹島和世」

20194月に茨城県日立市に行ってきました。日立駅のデザインは妹島和世さんが監修をし、JR東日本建築設計事務所(JRE)が設計をしています。デザインは全面的に妹島さんが現れていますが、駅舎プログラムの組み立ては専門性の高いJREの方が上手なのでしょう。

東西に橋をかける130mの直線通路

日立駅の特徴は130mもの直線通路が線路上部(地上8m)に橋をかけるように東西を繋いでいることです。その通路は両面ガラス張りで透明度が高いです。

駅舎は鉄骨造であり、直線通路は鉄骨柱と斜材が構造材として機能したカーテンウォールになっていますが、離れたところから見ると一部が斜張橋のようになっています。

それによって可能になったのが壁面ガラスのサッシレス化です。そこは上下枠の2辺で支持されているので、通行部分にサッシが現れないようになっています。

 

通路内から西側を見る

通路の天井はアルミパンチングメタル、床はコンクリートの上に硬化剤が塗布されていて、両面の開口から入ってくる自然光を内部に浸透させるように反射させるという、妹島さんらしいデザインを感じさせます。

海への視点場

直線通路の東側末端は広大な太平洋に向けた視点場になっています。そこの大パノラマは非常に美しいです。天井と床の反射性のある仕上げが効果的に効いているのもあります。

窓際のチェアに人が座るとそこの絵全体が動きを持つように見る人に歩み寄ってきます。そこのチェアに座って景色を見ながら休憩するのもいいですし、上手い具合に横にはカフェがあります。

 

日立駅 絶景天空カフェ

その名も「日立駅 絶景天空カフェ」です。名前がいささか仰々しいですが、固有の時間の過ごし方がそこではできそうです。休日ということもあり、そこは多くの人で賑わっていました。

鉄骨の表れ方を見る

日立駅は鉄骨造なので駅舎内にその構造体を見ることができます。床を見てみるとブレースがコンクリートに埋没したように固められています。

天井を見ると柱とブレースのジョイント部分に出てくる断面に合わせてパンチングメタルが切り取られていたり、端部の処理が難しそうに見えました。人が触れるようなところではないですが、もっと良い処理の仕方はないものかと気になりました。

 

ピロティ天井

また外に出て駅舎の下のピロティ天井を見てみると、梁など天井ふところが露出していて、そこは内部と統一してアルミを貼った方が良かったのではないかと思いました。ただそこには予算等の何かしらの都合があったのだとは思います。

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おわりに「そしてSANAAの設計した日立市役所へ」

海に向けて伸びていく通路の軸は様々に視線の抜けていく開放感が強くありました。この敷地固有のものを無垢な形を作ることで、巧みに生かしているように思いました。改札を出て、あのピクチャレスクな視点場の存在に気づくと勝手に体がそちらに寄せられていくようでした。

そして日立駅を西側に出て、次はSANAAの設計した日立市役所に向かったのでした。

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