元ハウスメーカー社員が取得すべき資格と実態を紹介|資格取得に失敗しないために

元ハウスメーカー社員が取得すべき資格と実態を紹介|資格取得に失敗しないために

はじめに「元社員という立場から」

私はもともと、ハウスメーカーで設計をしていました。

メインは設計なのですが、様々な業務をひとしきり学べるジョブローテーションや他業務に触れる研修がありましたので、設計だけでなく営業や現場監督、積算などの経験もあります。

本記事ではハウスメーカーに実際に働いていたという立場から、本当に必要な資格について紹介します。また、資格を取る意義についても述べていきます。

この記事のターゲットは、以下の通りになります。

 

記事のターゲット
・ハウスメーカーに就職を考えているが、資格が必要なのか悩んでいる人
・現在ハウスメーカーで働いているが、転職した際に資格を持っていることがどう役に立つのか気になっている人

また、先に結論を書いておきます。

 

結論どの資格を取ろうか迷っているのであれば、

・営業は宅地建物取引士
・設計は一級建築士
・施工管理は一級施工管理技士

を最短で取るべき。

次項より資格という観点から、ハウスメーカーの実態や取得のメリットを述べていきます。

ハウスメーカーの設計職については、「ハウスメーカー設計職について」の記事にて詳しく書いています。

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実際のハウスメーカーでどれだけ資格を持った人がいるのか

まず、転職サイトdodaに「職種別に資格が必要な求人割合」というデータがありました。下の図を参照してください。

[出典] https://doda.jp/guide/ranking/062/graph02.gif

見てみると建築系は転職の際に資格が求められることが多いことが分かります。

実際に転職を体験した筆者もそれは肌で感じました。

そしてこのデータからでも「ハウスメーカーで働く人の資格取得率は高いのではないか」ということが推測ができます。

実際に何パーセントがどの資格を持っているという客観的データはないのですが、実態がどうであったかは元社員であったのでわかります。

なので主観的で限定的な意見ではありますが、それを紹介します。


[営業の資格取得]

まず営業です。営業では9割くらい何かしらの資格を持っていました。

「何かしら」というのがポイントで、比較的簡単に取れるFP3級(ファイナンシャルプランナー)や「福祉住環境コーディネーター」といった資格を補填的に持っている人、特に若手社員が多いです。

営業の人で人気が高い資格は「宅地建物取引士」です。

しかし簡単に取れる資格ではないので、営業でも持っている人は1.2割程度でした。


[設計の資格取得]

次に設計です。設計は新入社員を除いてほぼ100%「建築士」の資格を持っています。

そして設計の新入社員はまず二級建築士を取るように言われ、すぐ資格保持者になっていました。

なぜ設計の新入社員がすぐ資格を取れるかというと、2つ理由が挙げられます。

①設計希望者が多い中で学歴や能力で設計職が厳選されるということ

②1年目は業務量が少ないため勉強時間を確保しやすい

そして中途で設計に入ってくる人はだいたい一級建築士を持っています。

一級建築士を持っているということで一定の水準以上の能力であることが伝わりやすいからだと思います。


[施工管理の資格取得]

次に施工管理(現場監督)です。施工管理での資格保持者は3.4 割程度でした。

入社してまず二級建築士を受けるように言われていたので、二級建築士の保持者が多かったです。

資格保持者が少ない理由の一つとしては、施工管理は他業務より労働時間が長くなりやすいことが挙げられると思います。

なぜ労働時間が長くなりやすいかというと、現場ではそれだけ発生する問題や調整が多いからです。

施工管理の人が持っていて有利な資格は「建築施工管理技士」ではありますが、その前に一級建築士を取ろうとする人が多いように感じました。

主な理由としては次の2点です。

①設計職にも異動しやすいということ

②一級建築士を取れば一級建築施工管理技士の学科試験が免除され、実地試験からでよい(受験するためには実務経験も必要)


[ハウスメーカー全体の資格取得]

そして経理や総務、人事等のスタッフ部門も合わせたハウスメーカー全体での資格保持者の割合は8割程度ではないかというのが肌感覚としてあります(実際に有益な資格かどうかは別としてですが)。

資格を取るべき理由

私は「資格は本質ではないが取得が必須」だと経験から思っています。

資格をたくさん持っていればいいわけではないですが、必要最低限の資格を持っていることで、仕事を円滑に進められます。

次にハウスメーカーで働いていて、資格が必要だと強く感じた場面を紹介します。


名刺に取得資格が書かれている信頼感

だいたいの会社では自分の名刺に持っている資格も書かれているかと思います。

例えば初対面の相手の名刺に「一級建築士」と書かれていれば、建築の専門分野の会話はできると感じますし、「一級建築施工管理技士」と書かれていれば現場経験が豊富なんだと分かります。

そして私が設計長に言われて強く納得した言葉があります。

それは昇級させたい人がいるが二級建築士の資格しか持っていない人で、「一級建築士の部下の責任を取る立場の人の名刺が部下より資格で劣っていたら信頼感を失う。だから昇級させたくてもそれができない。」という言葉です。

厳しい意見ではありますが、その通りだと思いました。


昇級のための資格ポイント

これは私が働いていたハウスメーカー内部での話なのですが、昇級には何かしらの資格が必要でした。

例えば主任になるには累計何ポイント必要であるとか、それぞれの資格にポイントが割り振られていて、そのポイントを満たさないと昇級できないのです。

それによってあまり重要性のないと思われる資格の取得が入り乱れるのは、資格を取得する本来の意味とは離れる部分ではありますが、そんな内部事情もありました。

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取得すべき資格と勉強方法

取得すべき資格について

この記事のはじめに結論を書きましたが、取得すべき資格をもう一度書いておきます。

どの資格を取ろうか迷っているのであれば、

・営業は宅地建物取引士
・設計は一級建築士
・施工管理は一級施工管理技士

を最短で取るべき。

なぜなら、それらは信頼や年収UPに直結し、かつ転職の幅も広げやすいからです。

特に宅地建物取引士は不動産業で重宝されるのですが、建築分野の知識と関連性が深いのでハウスメーカーでは設計の人でも取得する人は多いです。


資格の勉強方法について

そして次にそれぞれの資格を取得するために、どうやって勉強するかを考えていきます。

実際のところ資格校に通って勉強する人が多いですが、その費用は結構高いです。

資格校によりまちまちですがおおよその費用は下記の通りです。

資格校 費用宅建:約20万円ほど
一級建築士:約110万円ほど
一級建築施工管理技士:約40万円ほど

ですが、これらは資格校に通わずとも十分取れる資格だと思っています。

なぜなら私は実際に宅建一級建築士を独学で取得しています。

しかしなぜ多くの人が資格校に通うかというと、会社への資格校からのセールスや、先輩や同僚が通っている、或いは通っていた話を頻繁に聞く結果、それが通う以外の選択肢をなくしているからなんだと思います。

「資格校に通ってもその費用は資格を取れば回収できる」というよくある意見は正しいと思いますが、独学で取れば大きなマイナスからのスタートではなくすことができます。(下記グラフ参照)

 

 

そして現代は情報に溢れているので、独学での資格取得が十分可能だと断言できます。

なので資格取得を考えている方は、どのようにして取得するかを考えてみてはいかがでしょうか。

参考として独学の一歩目に適したテキストを紹介しておきます。

申し訳ないのですが、一級建築施工管理技士は勉強したことがないので省かせてもらいます。


「わかって合格(うか)る宅建士 基本テキスト 2020年度 (わかって合格る宅建士シリーズ)」は資格校TACから出版されているテキストです。

細かい文字がびっしり、というテキストはやる気が起きないですが、フルカラーで図も多く用いられており、スラスラと学んで行くことができます。

1冊を分野ごとに分割されているので、持ち歩きも楽です。


「ラクラク突破の1級建築士スピード学習帳2020」はエクスナレッジから出版されています。

一級建築士は分野が幅広く、テキストも1冊1科目というようになっているものが多いですが、これは1冊に全て詰め込まれています。

正直、この1冊により私は合格できたと言っても過言ではないと思っています。

 

また、一級建築士試験のためのテキストに関しては、以下の記事でも紹介していますので、よろしければ参考にしてください。

一級建築士の独学合格のためのテキスト

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おわりに「なんだかんだ言って資格主義」

日本は学歴社会で資格至上主義だと言われていますが、それに対する否定的意見には頷けます。

実力はかなりあるのに資格がなくて社会的な評価が低い人が生まれるので実力主義の方がいいと思う反面、資格さえ取ってしまえばある程度の評価に繋がるなら、少し皮肉ではありますが、それはそれで楽かなとは思います。そんな甘くはない部分はもちろん痛感しますが。

しかし最も重要なのは行動するかしないかの部分です。

この記事が少しでも誰かの役に立てれば幸いです。

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