最上級のインテリアデザインが作り出す特別な宿泊体験|ソラノホテル

ホテル

はじめに「貴重な眺望」

東京都立川市にあるソラノホテルに泊まってきました。

2020年にオープンしたホテルで、商業施設「グリーンスプリングス」とともに開発されました。

昭和記念公園を一望できるその立地は唯一無二で、ホテルとして非常に魅力的であると感じました。

この記事では、建築士としての視点も交えながら紹介していきます。

木組みが作るアライバル体験

エントランスからロビーに続く空間には、切妻屋根の骨組みを思わせる天井装飾が施されています。

エントランス

ロビー

これがアライバル体験として驚きを与えてくれます。

インテリアデザインはCURIOSITYが手掛けているということで、納得しました。インテリアから醸し出されるラグジュアリー感がありました。

ラグジュアリー感のあるインテリア

ロビーは団体客を受け入れられる広さもあります。

そしてスタッフの多さに驚きました。人件費の削減や人手不足が叫ばれている昨今、ホテルの方針なのかもしれませんが、こだわりを感じました。

圧巻の客用廊下

チェックインをして客用エレベーターに乗ります。

エレベーター内

エレベーターは2基ありますが、1基はペットが乗れるようになっています。

というのも、ソラノホテルはペットと一緒に泊まることができる部屋を用意しています

そのため、ペットを気にする人が同じエレベーターに乗らなくてよいよう、ボタンも分けて制御しています。

※ただし実際にはエレベーターに乗る際にわざわざ2つともボタンを押さなくてはならず、少し使いづらさを感じました。配慮の副作用とも言えそうです。

客室フロアに到着すると、他のホテルとは一線を画すデザインの技が見られました。

客室階のエレベーターホール

壁が一直線でなく、屏風のように折れているのです。

さらに小口部分にあるミラーが視覚的な広がりを生み出していました。興味深い廊下のデザインでした。

客用廊下のミラー

こだわり尽くされた客室

今回宿泊したのはスカイキング パークビュー(52㎡)の客室で、広々としたバルコニー(7㎡)もついています。

スカイキングパークビューの図面 ※宿泊したのは反転タイプ【参照】https://soranohotel.com/rooms/

非常にデザインセンスが感じられる客室でした。インテリア自体もそうですが、客室形状も特殊です。

廊下の壁が屏風のように折れていましたが、それが客室にも現れており、直角でない壁が空間の広がりを簡単には把握できない面白さがありました。

客用廊下の屏風壁

客室レイアウトは廊下側に水回り、奥にベッドルームという構成です。

それでは室内に入っていきます。

廊下は直線ではなく、早くもワクワクしました。ただならぬこだわりを感じます。

直線ではない廊下

ベッドルームはセンターベッドで、背面にはすだれが設けられ、これが入出時の受け面となっています。

ベッドボードのすだれ

すだれ(拡大)

その横を通ると、窓の外に視線が抜けていきます。

昭和記念公園が一望でき、さらに遠くには富士山も見える最高の眺めです。

眺望の良い客室

富士山も見える

バルコニーはウッドデッキになっており、室内とフラットのため内外の一体感があります。

室内とフラットなウッドデッキ

バルコニーとの一体感

そして、ベッドルームは勾配天井になっています。

勾配天井

ビルディングタイプのホテルではなかなか見られません。

これが決して最上階だけ、というわけではなく、すべての階の客室が勾配天井になっているのです。

四角の客室が多いですが、むしろ他のホテルでは味わえない空間を作り出そうとしてというのが感じられます。

このデザイナー、CURIOSITYのグエナエル・ニコラさんは、フォーシーズンズ大阪も手がけています。一流のラグジュアリーホテルにも携わるデザイナーが、ソラノホテルを手がけていると思うと胸が熱くなります。

外観も見てみると、屏風のように「折る」ということがデザインのテーマになっていることが分かりました。

外観

そのこだわりは、造作棚にも現れています。ランダムな開口と照明、OSEの配置がリンクしています。

造作棚

扉を開けると扉にゴミ箱がくっついていました。どこに何があるのか探すのが楽しくなりました。

ゴミ箱の入った扉(閉)

ゴミ箱の入った扉(開)

また、ナイトテーブルには照明やカーテンの制御スイッチが埋め込まれていました。

ナイトテーブルに埋め込まれた制御スイッチ

スイッチ(拡大)

ベッドルーム側から水回り側の壁を見ると、一面が黒の壁となっていました。両引き戸も黒です。

黒の両引き戸

そして水回りには黒のタイルが使われています。

トイレ内観

トイレの手洗い

同面でのデザインの切替はあまり良い見た目を生まない印象ですが、「鏡」を上手く使うことにより、空間を拡張するためにむしろ同面の切替を用いているのだと分かりました。

これもアリなのだと学ばされました。

浴室

洗面

ウェルネスフロアを持つホテル

10階はウェルネスフロアとなっており、ジム、プール、スパ、サウナ、更衣室があります。

このフロアは廊下が長いのですが、それを逆手に取って、期待感を存分に高めるインテリアを味わえる贅沢な場所になっています。

長い廊下

廊下のデザイン

ジムはストレングスマシンを置いていないので器具は少なめですが、客室同様に眺めは抜群です。

ジム

ベンチプレスとダンベル

ランニングマシン

パーソナルトレーニングも簡単に申し込め、実際にマンツーマンでやっている方もいました。

プールへの動線は少しユニークです。

着替えは部屋で済ましてきてもよいですが、更衣室は経由しなくてはなりません。

そして、更衣室を出ると、インドアプールのような浴場のような不思議な空間があります。

インドアプールのような空間

アマン東京のプールを思い出すような、落ち着きのある空間でした。

その傍らにサウナもあります。

空間の正面に構える階段を上がると、屋上(11F)のインフィニティプールへと出られます。

インフィニティプールへと上がる階段

階段のディテール

60mのプールは圧巻です。やはり屋外であることは特別で、眼前に広がる景色を見ると心が洗われた気がします。

インフィニティプール(夜)

インフィニティプール(昼)

また、温水になっているため外気温に捉われず入ることができます。

あたりが暗くなると水中のライティングもよりかっこよく映ります。

プールのライティング

インフィニティプールのすぐ真横がルーフトップバーになっているので、中にいる人と近いのは少し気になるところでした。

地元食材にこだわったレストラン

ロビー階には、DAICHINO RESTAURANTというオールデイダイニングがあります。

朝食会場はこちらになります。外来利用も可能です。

レストラン内観

こちらのレストランは地元食材にこだわって作られており、ビュッフェではなく定食形式になっています。野菜もみずみずしく美味しかったです。

決して広くはないですが、細長の平面形状に対して、テラス席も付属しているため、狭さを感じにくかったです。

テラス席

宿泊者の独占感を作り出すラウンジ

ロビー階にはIMA LOUNGEがあります。

ここは宿泊者専用のラウンジで、ドリンクやお菓子などをいただくことができます。

ラウンジ内観

お菓子が並ぶ

ちょっと外出するついでにコーヒーをテイクアウトすることも、部屋に持って帰ることもでき、有難いサービスでした。

チェックイン後の15-17時は特別で、お菓子やアルコールも提供されます。

贅沢にもスパークリングワインと日本酒を飲むことができました。

アルコールも提供される

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おわりに「立川という立地」

以上、ソラノホテルの紹介でした。

このホテルは都会から離れたところでゆっくり過ごしたい人に適していると思います。

高尾山に登る人や、都内の高級ホテルに泊まってみたいけど都会の喧騒からは離れたいという人におすすめです。

部屋からの景色には、「立川」という立地であることの優位性が際立っています。

夕刻の景色

東京でここまで素晴らしい景色が見られるのかと感動しました。ぜひ行ってみてください。

ソラノホテル 建物概要
所在地:東京都立川市緑町3丁目1 W1
経営:立飛ホスピタリティマネジメント
設計:山下設計・大林組JV
インテリア:グエナエル・ニコラ(CURIOSITY)
施工:大林組
規模:地上11階、地下1階
延床面積:13,251㎡
客室数:81室
開業:2020年6月8日
ADR:6.0万ほど(※2025年現在)
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