はじめに「世界的建築家による設計」
ぐりんぐりんは福岡県福岡市のアイランドシティにある体験学習施設です。設計は伊東豊雄さんです。
その名の通りぐりんぐりんとした形が特徴の建物です。とても面白い建物ですので紹介していきたいと思います。
・風光明媚な大三島を感じ、いざ建築へ「今治市伊東豊雄建築ミュージアム」
・自由曲面を内包する多層多質な箱「台中国家歌劇院」
・丘の上に建つ軽やかな建物「八代市立博物館 未来の森ミュージアム」
先進的な地区を形成するアイランドシティ
アイランドシティとは21世紀の都市型モデルとして福岡市が先導して行っている事業区域です。
高層の集合住宅が建っているかと思えば、戸建の分譲住宅群や広大な公園もあり、その区域全体が海に囲まれている離島のような場所です。
戸建の分譲住宅群は省エネを目指していて、一棟あたりの敷地面積が広くて緑も多く、歩行者目線のまちづくりの様子が伺えました。
視界に入ってくる色合いが心地よくて歩くのが楽しかったです。
本土とアイランドシティは橋で結ばれていますが、歩行者と自転車専用の水上遊歩道は海を存分に味わえて気分転換にもってこいです。子育て環境としてもかなり良いと思います。
ただこの街が時間に耐えうるかというところは、一般的な分譲住宅地と同様の課題となりそうです。
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丘のようにランドスケープになじむ
構造は鉄筋コンクリート造(一部鉄骨造)で、全体を包む3次元シェルは部分部分の曲率が異なっていて自然の産物であるかのような様相を示しています。
公園に対する主張を抑えて存在するこの小丘の内部には植物園があります。
外部は公園と一体的になり、建物の上に巡らされたウッドデッキを歩いて散策することができます。
内部は温室で、そこにある植物は温度・湿度が保たれトップライトからの採光が差し込みます。
また、防犯のためにカーテンウォールにはガラスではなくポリカーボネートを使っているということも特徴です。
しかし丘とはいえど人工の産物であるため雨水の処理方法が問題となります。
ここではシェルの躯体に沿った側面に水抜き孔を設けて排水処理をしているのですが、ここに人為的操作ががっつり見えてしまうのはコンセプトに反するのではないかと思いました。
おわりに
実際にシェルの下を通ったり上を歩いたり、そこからのアイランドシティの開放的で広々とした風景を見たり、そこで得られる建築体験の多様さは類を見ないものでした。
入場料は大人100円(2018.11.10現在)なので、他と比較しても安いので気軽に入れておすすめです。