WATG設計の開放感あふれるリゾートに宿泊|Conrad Bali (コンラッド・バリ)

ホテル

はじめに「ヌサドゥアというエリア」

バリのヌサドゥアにある、Conrad Baliに宿泊してきました。

ヌサドゥアは東海岸に面した、ビジネスや政府関係者が集う国際色豊かなエリアで、街並みは広々と開放的で、清潔に保たれています。

ウブドにいた際にもタクシーの運転手が「ウブドは道がガタガタだけれど、ヌサドゥアはとてもクリーンなところだよ」と言っていました。

コンラッドはヒルトンのラグジュアリーブランドで、日本国内にも展開しているので馴染みのある方も多いと思います。

今回はそちらでゆったりと過ごしてきたので、建築士としての視点も交えつつ紹介したいと思います。

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4,800㎡の特大プールを擁するリゾート

車でホテルのあるヌサドゥアに近づいていくと、「Bali Mandara Toll Road」という2013年に開通した長い橋があり、また違ったエリアに行く高揚感がありました。

Bali Mandara Toll Road

ホテルに近づくと、メインロードに面してセキュリティ棟がありました。

セキュリティ棟(左側がメインロード)

ゲートを抜けると緩やかに2層分上るスロープがあり、その先に車寄せがあるという、リゾート設計のオーソドックスな形でした。

車寄せへのスロープ

車寄せ

車を降りると、正面奥に大空間のロビーが見えました。

ロビー

このホテルは全368室という特大リゾートなので、チェックインの時間はかなりの人で混み合っていました。

スタッフさんに聞くと、この日の稼働率は90〜95%ほどということでした。

チェックインカウンター(写真左)

ロビーで少し待ち、カウンターに呼ばれチェックインを行いました。

そちらでウェルカムドリンクを頂きながら、リゾート内施設の説明も受けました。

チェックインカウンターを兼ねるコンシェルジュ(写真左)

ウェルカムドリンク

ここは海側に配置された4,800㎡にも及ぶ大きなラグーンプールが特徴的なホテルになっています。

【参照】https://www.hilton.com/en/hotels/bpncici-conrad-bali/hotel-location/

これはバリの伝統的な「水の宮殿(タマン・ウジュン)」のオマージュでもあります。

設計はホテル設計の第一人者、WATGが担っています。

WATGとは
・正式名称はWimberly, Allison, Tong & Goo
・カリフォルニア州のタスティンを本拠とする設計事務所
・インテリア部門も持つ
・ラグジュアリーリゾートの第一人者

建物は大きく「北ウィング」「中央ウィング」「南ウィング」の3つのブロックに分かれています。

それら3つのブロックに基本的な客室やパブリックがあり、さらに別棟として、スイート棟などもあります。

このホテルは、伝統的なバリ建築の要素(オープンエア、水、天然素材)を、現代的な直線美と融合させているのが特徴です。

穏やかなリゾートを感じるスイート棟

今回宿泊したのは、コンラッドスイート(110㎡)です。

ホテルブロックは複数ありますが、スイート棟はロビーから一番離れたところにあり、スイート用のゲートも存在します。

スイート用エントランス(写真奥)

スイート棟について
・2004年開業の4年後に増築された棟
・一般客室のある棟とは別に、敷地の北端に独立して建てられた隠れ家的な区画
・一般のゲストエリアから完全に切り離された専用のゲートを持ち、「ホテルの中の別のホテル」のようなプライバシー重視の棟

スイート客室へは、ロビーからはショップやスパ、ジムなどパブリックエリアを通りながら向かいます。

ロビー横のショップエリア

ショップエリアの歩廊

スパエリア

メイン棟から一度地上階に降り、屋外を歩きスイート棟に入ります。

スイート棟へ向かう屋外部分

スイート棟

スイート棟入口

客用廊下は開放廊下で敷地境界に面しているので、隣の敷地のローカルな住宅や、使われていないであろう更地が見えました。

隣の敷地が見える客用廊下

客室は4階建の4階に位置し、オーシャンビューではないのですが、喧騒から離れ、落ち着いた雰囲気の中でゆったり過ごせる場所となっています。

客室はスイートというだけあり、110㎡の広さで、ゆっくりとしたステイにふさわしいです。

コンラッドスイート(110㎡)

客室ドアの近くにミニバーとダイニングがあり、奥にリビングがあります。

ミニバー(写真奥)、ダイニング(写真中央)

リビング

リビングは隣のベッドルームと繋がっていて、ベッドルームはバスルームと繋がっています。

ベッドルームからバスルームを見る

リビングの目の前には広々としたテラスが付いており、そこにはソファ、チェア、テーブルがあるので、食事をするのにも十分なゆとりがあります。

リビングとベッドルームは2ヶ所の引き戸で繋がっているので、回遊性があり気持ちの良い間取りです。

リビングとベッドルームを繋ぐ2箇所の引き戸

ベッドルームも広く、大きなナイトテーブルが両サイドに置けるくらいです。

ベッドルームにも大きな窓がついており、リゾートらしさを味わえる空間です。

バスルームはオーソドックスな形ですが、使い勝手がよく、中央にベンチを置けるくらい、こちらも広々としていました。

バスルーム

リゾート感を高めるヤシの木規制

少し建築的な話をしようと思います。ホテル敷地内の建物は高くとも4階までになっています。

これは通称「ヤシの木」規制というものが関係しています

この規制は、高さ15メートル(約4階建て相当)を上限とするものです。

これは「バリ州知事決定(1971年)」や「空間計画条例(RTRW)」によって法制化されました。

建物より高いヤシの木

背景には、バリ・ヒンドゥーの「Tri Hita Karana(トリ・ヒタ・カラナ:神と人、人と人、人と自然の調和)」という考えや、景観の維持があります。

そのために風景に突如現れた高層建築のようなものができず、リゾート感が保たれ、結果としてリラックスできる環境となっているように感じました。

ヤシの木と4層に抑えられた建物

そのような規制があるため、設計的な観点では、客室数を確保するために客室棟をコンラッドのようにE字型に配置するなど工夫が生まれています。

他の事例では、4階建よりも高い建物だったリッツカールトン・バリについては、崖に沿って下に向かって建てるという手法が取られていたりします。
「崖に沿っているのであれば建物的に階数の高いものであっても景観を損なわない」という考えであることが分かります。

確かに客室前には背の高いヤシの木がありました。

しかしながら、清掃する人がヤシの木に登って大きな葉を剪定していたのには驚きました。

ヤシの木に登る人

雰囲気を最大限に生かすプライベートガゼボ

「このリゾートで一番心地よさを感じられる部分はどこか?」と聞かれたら私はプライベートガゼボと答えると思います。

これは他のホテルでももっと採用してほしいと思うくらい、良いシステムでした。

プライベートガゼボのシステム
・有料(半日or1日)で借りられる
・予約制
・QRコードで料理等注文できる

荷物を持って席を外したとしても、他の人に取られることなくガゼボを使えるというのが良いです。

ガゼボは海側に設けられていて空間も広いです。

ガゼボ外観

ガゼボ内観

さらには引戸が備わっており、任意の場所で固定することができるため、風が強い側を壁にするなど調節できるのが素晴らしいです。

大きな屋根のため、雨が降っても安心で、風も抜けて気持ちよく、賑わいも感じられる素晴らしい空間です。

バリらしい大屋根

そんなプライベートガゼボがところどころ設けられているのもリゾートの雰囲気作りにも効いていましたし、アイスを注文したりして、のんびりと豊かな時間を過ごすことができました。

広いリゾートで味わう3つの朝食会場

コンラッド・バリのオールデイダイニングは1箇所なのですが、全368室のホテルで稼働率が90〜95%だったこともあり、行った時は3箇所が朝食会場となっていました。

それら全てで朝食を体験したので紹介します。


1つ目は「SUKU」というオールデイダイニングで、最も座席数が多いです。

座席数の多い「SUKU」

テラス席も含め多くの人で賑わい、席の回転も速かったです。

ビュッフェが階段を数段上がった位置に設けられているため、空間の変化があるのと、動線が交錯しづらいのが良かったです。


2つ目が「RIN」という日本食レストランです。

RIN

朝食は「SUKU」とほぼ同じ内容のビュッフェでした。

ビュッフェ

座席数は少なめで、プールビューのテラス席もあります。

スイート棟に近いので、スイート客室を使っている人は、こちらの方がアクセスが良いので、こちらを使っている印象でした。

スイート棟からのアプローチ

RINの建物は夕刻のライトアップも素敵で何度も写真を撮ってしまいました。

RINの建物(夕刻)


そして3つ目が、「Spice」という、普段はファンクションルームとして使われる場所です。

Spice

ロビーと同じ階のショップエリアの先にあります。

「RIN」と同じくらいのサイズで、こちらもテラス席が設けられていました。

屋外のビュッフェとテラス

朝食会場は3つとも東向きで朝日が当たる方角ですが、この「Spice」だけ3階にあるのでより朝日が強く、テラス席だと眩しく暑いと感じました。


3つとも雰囲気の違う朝食会場ですが、個人的には1つ目の「SUKU」がリゾートの雰囲気が強く感じられて好きでした。

ガラスのチャペル

スイート棟から海へ向かう途中に、ガラスで作られたチャペルがあります。

ガラスのチャペル

水盤に立つチャペルとして、とても象徴的です。

水盤とチャペル

チャペル側から見た反対側の景色

日本の大手ウェディング会社とも提携しているので日本人にも人気の式場となっています。

チャペルの内観

チャペルの設計者はホテル全体の設計者とは異なり、インドネシアの設計事務所、Studio TonTonが担っています。

そう言えば以前に宿泊した「Le Meridien Bali Jimbaran」もこの事務所が設計していたのを思い出しました。

夜のチャペルも幻想的で良い雰囲気でした。

夜のチャペル

スタンダードなトレーニングジム

368室の巨大ホテルというだけあり、ジムは十分な広さがありました。

ジムの内観

器具も満遍なくありましたが、内装はシンプルで、スタンダードなジムという印象でした。

シンプルな内装のジム

それでもコンラッドということもあり欧米の方を中心に利用者は多かったです。

ジムの外観

MICEの設計

コンラッドでは、宿泊客の車寄せは3階ロビーに向かって上がっていきますが、そのスロープとは反対側の地上階部分にMICEの車寄せがあります。

MICE用車寄せ

こちらもラグジュアリー感漂うエントランスで、車寄せからピロティを進むと、中庭が現れました。

車寄せからのピロティ

中庭

その中庭を囲うようにバンケットや会議室がありました。

オープンエアのホワイエですが、気持ちの良い空間だと感じました。

MICEの奥には階段があり、上がっていくとロビーの方に繋がるという位置関係でした。

MICEからロビーへの階段(ロビー側より)

おわりに「リゾートに適した間口と心地良さ」

以上、Conrad Baliの紹介でした。

バリのラグジュアリーホテルの中では、コンラッドはそこまで高級ではないですが、敷地の横幅(間口)が約350mと大きいというリゾートに適した敷地であるということが、滞在の心地良さに繋がっていました。

比較的リーズナブルに宿泊できるので、おすすめのホテルです。


そのほか、記事に載せきれなかった写真もこちらに載せておきたいと思います。

Conrad Bali 建物概要
所在地:Jl. Pratama No.168, Tanjung, Benoa, Kec. Kuta Sel., Kabupaten Badung, Bali 80363, Indonesia
敷地面積:約6.8ha
設計:WATG (Wimberly Allison Tong & Goo)
インテリア(2004年開業時)LTW Designworks
インテリア(2016年リニューアル時):WOW Architects
ランドスケープ:Belt Collins(ホノルルの事務所)
客室数:368室
開業:2004年(スイート棟、スパパビリオン、レストランRINなど:2008年)

Conrad Bali 敷地計測(ざっくり)約6.8ha 【出典:Google Earth】

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