1989年開業、今も色褪せないアマンのバリ最高峰ヴィラ|Amandari

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はじめに「Aman」

バリのウブドにあるAmandariに宿泊してきました。

アマンと言えば、スーパーラグジュアリーブランドとして有名で、日本にも2026年現在東京、京都、三重にあります。

バリには3軒のアマンがあります。

バリにあるAman
・Amandari
・Amankila
・Aman Villas at Nusa Dua (旧Amanusa)

中でもバリのヴィラのパイオニアとも言われているのが、今回宿泊したAmandariです

開業したのが1989年なので、歴史あるホテルです。

この記事では建築士の視点を交えて紹介していきたいと思います。

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VIP待遇の送迎サービス

Amandariにはウブドの他のホテルからアクセスしたのですが、事前のやりとりで、無料送迎をしてくれると連絡がありました。

空港送迎だけかと思いきや、別のホテルまでも来てくれるということで、お願いしました。

他のホテルにアマンのユニフォームの人が来てくれるのは少しシュールでしたが、特別扱いをしてくれる感じに、さすがアマンだと感じました。ちなみにチェックアウト後、次のホテルへも送ってもらいました。

道中ではAmandariの案内冊子をくれたり、水とスナックも用意されているなど、ありがたいサービスもありました。

Amandariの案内冊子

そしてホテルに近づくと、Mandapaの看板も近くにありました。

以前にMandapaは宿泊しましたが、AmandariとMandapaは隣同士にあるということが分かりました

敷地が広いので、パッと見では分かりにくさがあります。

そしてメインロードから細い道に入っていくとセキュリティゲートがあり、少し下って車寄せがありました。

車寄せからはロビーとその奥の渓谷まで、広く見渡せるようになっていて、ロビーとその先のオープンエアの空間が広がっている様は、安らぎのリゾートのように感じられました。

集落を通りヴィラへ

ロビーはあるものの、チェックインは客室の中で行うということで、ヴィラエリアを歩いていきました。

ヴィラエリア

1989年に開業したホテルということもあり、バギー送迎という考えはなく、歩いて今回宿泊する「Valley Suite No.25」に向かいました。

その道は集落のようで、用水路が道の脇にあったりしました。

集落の用水路のような排水溝

実は予約時は「Village Suite」だったのですが、アップグレードして頂きました。特にアップグレードしたということも知らされなかったので、当たり前のようにしてくれるそのサービスに感動しました。

Amandariのリゾートマップ上で、宿泊したNo.25は左側にあります。

Amandariのリゾートマップ

田んぼビューの客室

今回宿泊する「Valley Suite No.25」は敷地の南奥にあります。

ヴィラの前の通路

門をくぐり、階段を少し下って、玄関にたどり着きます。

この門には扉がなく、これはバリの伝統住宅の作り方で、客を向かい入れるために扉は設けないのです。

バリには「客は王様である」という考え方があるためです。

そして玄関ドアを開けると、とても素敵な空間が現れました。

ベッドルーム

バリの伝統住宅の作りで、天井は屋根材が現しになっています。

表しの屋根材

天井に見える茅葺材は、アランアランという木です。

開口がそれぞれの面に大きく設けられており、田んぼや渓谷の眺めは素晴らしかったです。

ヴィラの場所によって眺めは異なり、このNo.25は手前に田んぼ、奥に渓谷の眺めでした。

部屋の中心にはダイニングテーブルが置かれており、ベッドは北側の窓に面して置かれています。

中央のダイニングテーブルと北に配置されたベッド

ベッドの両側は机と椅子がそれぞれ置かれ、対称的な配置でした。

ベッドの対面には水廻りと、仕切る両引き戸があり、その横にミニバーがありました。

ミニバーはアルコール以外全て無料ということでした。ジンジャービアが特別お気に入りでした。

そしてミニバーにあったヤカンのようなケトルは、思わず手に取ってみたくなるデザインでした。

水廻り側は両側に洗面台があり、その向かいにクローゼットとバゲージスペースがありました。

洗面所

洗面の鏡の壁面は45度角度が設けられており、引き込まれるような間取りでした。

奥にはシャワーとトイレが外に面してあり、外にはアウトドアバスがあります。

設計をしたピーター・ミュラーは「村の生活の贅沢な進化形」としてアウトドアバスを作りました

当時でもアウトドアバスが贅沢なのだと考えられていたと思うと、衰えない価値をデザインするのが設計者の使命だと感じました。

アウトドアバスは寝転がった時に楽な体勢になるよう、傾斜が付いており、バスピローも用意されていました。

虫が気になるので蚊取り線香を炊いて入りましたが、お香のような良い香りで、空間の雰囲気がグッと良くなったように感じました。

そして、このヴィラの中で最も素晴らしいと思うのが障子です

隅に収納される障子

開けている時は壁面アートのように機能しており、とても贅沢な空間にいる気持ちになりました。

ベッドの天蓋も同じようなデザインです。

この天蓋は、ヤモリの糞が時折落ちてくるのでその対策かと思いスタッフさんに聞いたのですが、そうではなく、天井材のアランアランがパラパラと落ちてくるために設けているということでした。

屋根材は頻繁に葺き替えをするそうです。

築36年を超えるヴィラですが、床石は長く使ってきたからこその安定した質感がありました。ジャワ産の大理石らしいです。

ジャワ産の大理石(床材)

インフィニティプールでアフタヌーンティー

レストランの前にインフィニティプールがあります。

インフィニティプール

その傍には「Terrace Bar」というバーラウンジもあり、16〜17時にはアフタヌーンティーを提供していました。

ラウンジの中は少し混雑していたので、プールサイドで頂くことにしました。

コーヒー、紅茶を選べ、軽食も頂きました。

プールの正面には、楽器の置かれた東屋があり、時間によってはこちらでバリ伝統のガムラン演奏がされています。

東屋(左)

プールは水深1.5mと深く、ユニークなのは壁と床が直角に交わるのではなく、曲面になっていた点です。

プールは常温でしたが冷たくはなく、ちょうど良い温度でした。

また、眼下に広がる渓谷を見ていると、Mandapaの建物を発見しました。

眼下にMandapaの建物を発見

隣の敷地ではありますが、川の位置や高低差など、両者で全然違って面白いです。

貸切サウナも楽しめるウェルネスエリア

敷地の最も北側にウェルネスエリアとして、スパとサウナ、ジムがあります。

ウェルネス棟

スパ室数:全3室(シングル1室(屋内)、ダブル2室(半屋外))

見せてもらったダブルの部屋は施術に入ると滝が流れ、心地よい音に包まれるようになっていました。

スパのダブルルーム

アマンブランドではありますが、作られたのが古いこともあり、最低限のスパ機能という印象で、トリートメント室が更衣室も兼ねているということでした。

最小限のスパエリア

そして、サウナはこじんまりとした広さということもあり、予約制で使うことができます。

貸切サウナルーム

スチームとドライの両方があります。

トイレとシャワー、更衣室も一部屋にまとまっているため、プライベートサウナとして使うことができます。

スパエリアのすぐ横にはジム棟があります。

室内はあまり広くはなく、器具は最低限でした。

アマンでしたらもっと充実しているだろうと思っていたので、少し残念ではありました。

ウェルネス志向は最近の潮流ですが、当時はあればよいという程度だったのかもしれません。

プールと渓谷を望むレストラン

オールデイダイニング「The Restaurant」が、ロビーの横にあります。

The Restaurant

階段で上がった中2階に座席があり、さらに上がった2階部分に大人数の個室、そして厨房もあります。

中2階の個室

1階の通路がトンネル状だったのは、このような構成だからだと後から合点がいきました。

朝食はアラカルト形式で、料理は他のラグジュアリーホテルより、頭ひとつ抜けて美味しかったです

初めのドリンクではフルーツジュースもあり、ミックスにもできると仰っていたので、ミックスを注文しました。

マンゴーを中心としたミックスジュースで非常に美味しかったので、次は別のフルーツでミックスにして欲しいと頼むと、スイカやバナナ、いちごなどさまざまな組み合わせで作ってくれ、こちらも非常に美味しかったです。

この機転のきくサービスに「アマン」を感じました。

店内はオープンエアで、プールが目の前にあり、渓谷を高い位置から望めるとても気持ちの良いところでした。

プールと渓谷を望める座席

ヴィラでのインルームダイニングもしたかったので、途中で持ち帰って食べたいと言うと、部屋まで持ってきてくれました。

インルームダイニングへ運んでいる様子

レストランも素晴らしいですが、ヴィラで食事するのも特別な空間をじっくり感じられるので、とても優雅な時間でした。

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おわりに「パイオニアで最高峰」

以上、Amandariの紹介でした。

Amandariはバリのヴィラのパイオニアということですが、パイオニアでかつ、バリで最も素敵なヴィラだとも思いました。

良いものは残り続けるものだと思いましたし、このレベルのものを設計者として作っていかなければならないのだと、身に染みて実感しました。

パブリック部分の評価もあるので総合的な評価をすると難しいのですが、「バリでおすすめのヴィラは?」と聞かれたら、間違いなくAmandariを挙げると思います

すごく貴重な経験でした。

Amandari 建物概要
所在地:Jl. Raya Kedewatan, Kedewatan, Kecamatan Ubud, Kabupaten Gianyar, Bali 80571, Indonesia
敷地面積:約4ha
設計者:Peter Muller
インテリア:Peter Muller
客室数:31室
開業:1989年
その他、本文に載せきれなかった写真を以下に載せておきます。
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