錦糸町エリアのマンションを建築視点で考察｜墨田区まちあるき

はじめに「錦糸町の街並み」

墨田区の錦糸町周辺を歩き、そのエリアに建っているマンションを観察してきました。

歩いたエリアは錦糸町駅の北側で、錦糸地域と名付けられています。

下図は墨田区のエリアマップになります。錦糸地域は南の方に位置します。

【出典】https://www.city.sumida.lg.jp/matizukuri/matizukuri_map/index.html

この記事では建築士という視点で、マンションの建築的な特徴を都市計画や、法規的な側面から見ていきたいと思います。

メイクス錦糸町

メイクス錦糸町は、メイクスにより開発された賃貸マンションです。投資用マンションでもあります。

外観はバルコニーの手すりで、ガラスと縦格子をランダムにデザインされているのが特徴的です。

専用のホームページがあり、そこから物件カタログを見ることができます。

【参照HP】https://makes-d.co.jp/building/makes_kinshicho

各階平面図や住戸プランも載っており、それが一般に公開されているというのは非常に親切です。

さらに、他の物件カタログもホームページから見られます。

メイクス錦糸町の図面を見てみると、基準階(2〜6階)は1Kの住戸で、最上階は2LDKのファミリー住戸になっているようです。

クレヴィア錦糸町ガーデンコースト

クレヴィア錦糸町ガーデンコーストは、伊藤忠都市開発の開発する分譲マンションです。

敷地の東側は大横川親水公園に面しており、開放的です。

大横川親水公園はスカイツリーの麓近くまで伸びており、南北に長い公園で散歩にも良い場所です。

建物の外観は道路側と公園側で異なるデザインになっています。

道路側は都市的で、公園側は住宅的なデザインです。

敷地は2つの用途地域にまたがり、かつ高さ制限も切り替わるので、敷地北側の建物ボリュームは低くなっています。

セヴェランス錦糸町

セヴェランス錦糸町は賃貸マンションで、施主は個人オーナーだと思われます。

大横川親水公園に面しており、目を引くデザインになっています。

そして分譲っぽいですが、賃貸マンションなのです。仕様も含め、賃貸マンションでこのグレードの高さはあまり見かけないです。

そして高松建設が設計施工という点も特徴の一つです。

高松建設のHPからエントランスホールの写真などが見られますが、コンサートホールがコンセプトのようです。

【HP】https://www.takamatsu-const.co.jp/construct/achievements/detail/323

外観からもどこか音楽的なリズムが感じられるものがありました。

モンレーヴ錦糸町

モンレーヴ錦糸町は賃貸マンションですが、調べてみても事業者等の情報が不明でした。

錦糸町駅から徒歩7分の距離にありますが、錦糸町駅に近づくと商業地域のため、急に高層のマンションが多くなります。

敷地は南北に前面道路があるのですが、道路幅員はそれほど大きくないため、天空率のために敷地の両側を開けて駐輪場・駐車場としているようです。

また共用廊下・バルコニーの角がカットされているのも天空率によるものです。

コンシェリアR錦糸町

コンシェリアR錦糸町は、クレアスライフによって開発された分譲賃貸マンションです。

バルコニー部分が逆梁になっており、また天空率によって建物の平面形状が斜めにカットされています。

敷地の南北に前面道路があり、平面計画もしやすそうです。

11階ですが容積率も500%近く消化しているので、経済的な計画がされていることが伺えます。

グランスカイ

グランスカイは賃貸マンションですが、事業者や設計者などの情報は分かりませんでした。

どうやら錦糸町には同じ名前のホテルもあるらしく、検索すると混同してしまいます。

外観は現代的で、2013年に竣工した建物ですが古さは感じられなかったです。

テナントのファサードが建物全体と違うデザインになっていますが、竣工時の写真を見るに、道路側の面はテナント工事にて外装を作っているようでした。

おわりに「様々な事業者が街を作っていく」

以上、墨田区の錦糸地域にあるマンションの紹介でした。

かなり局所的にマンションの計画を切り取って行きましたが、当然そのマンションを開発する事業者もたくさんいます。

そのマンション単体の開発が街に及ぼす影響は少なくても、それらが総体として及ぼす影響は大きいです。

もっと計画同士での相乗効果が生まれると、それが街の魅力になると思うため、何か良い方法はないかと考えさせられました。