はじめに「ナインアワーズ浅草が閉店して」
SAUNA RESET Pint(サウナリセットピント)に行ってきました。
ここはお一人様専用のサウナで、自分専用のサウナに入ることができます。2022年7月にオープンしました。
普段このブログは建築を中心に書いていますが、なぜ今回サウナについて書いているかと言いますと、ここが建築に関係がある建物だからなのです。
実は、ここは以前「ナインアワーズ浅草」として、カプセルホテルが入っていた建物なのです。
それも有名な建築家、平田晃久さんが設計した建物です。
そのためカプセルホテルからサウナへ、建物を丸々コンバージョン(用途変更)した結果どのようになったのかすごく興味がありました。
閉店してしまったナインアワーズ浅草については、次の記事で書いていますので、よかったら見てみてください。
まずはエレベーターで9階へ、受付から個室サウナへ向かう
建物の1.2階には、フグレンというノルウェー発祥のカフェが入っています。
そのカフェに挟まれるように、サウナの受付がある9階へ向かうエレベーターがあります。
9階に到着し、中に入ると受付があります。そこでサウナの使い方について説明を受けます。
その後、館内着に着替えるために男性は7階、女性は8階にエレベーターで向かいます。
個人用のロッカーで着替えた後は、それぞれ割り当てられた個室サウナがある階に向かいます。
自分の場合だと6階にエレベーターで向かいました。
ととのいを知るべくVIP個室を予約
今回予約したのはVIP個室の105分コースです。
個室は2種類あります。通常の個室(4500円)とVIP個室(6600円)でした。
通常の個室ですと、自分専用なのはサウナのみで、水風呂やシャワー、外気浴については共用になります。
VIP個室はそれらが全てコンパクトに一つの部屋にまとまっており、全て自分専用になります。
サウナ初心者というのもあり、1人でゆっくり楽しんでみたかったのでVIP個室を予約しました。
内装は今どきのグレー基調で、洗面鏡の照明が効果的に空間を引き締めていました。
サウナの中は間接照明で落ち着いた空間でした。中には小窓がついており、安全面の配慮がされています。
そこでじっくり汗をかいた後は、お椀のような水風呂に入ります。
そして〆の外気浴です。
天井にシーリングファンがついていて、窓も少し開けられるので、いい感じに外気感がありました。
サウナ用語である「ととのう」という状態を今まで体験したことがなかったですが、今回初めて体験できた気がします。
サウナ→水風呂→外気浴のローテーションを4回ほど繰り返したら時間がきました。
最後はシャワーを浴びてVIP個室を出ました。
その後は、ラウンジでゆっくりする時間がコースに設けられており、無料のドリンクも置いてありました。
効果的な既存利用に現れる、カプセルホテルの面影
以前のナインアワーズ浅草に行ったときも、建築的にどのようになっているのだろうとじっくり観察していました。
その甲斐あって、コンバージョン後のサウナとの比較がしやすかったです。
そこで自分が気づいたポイントを挙げてみます。
男女別のエレベーター
まず男女別のエレベーターです。カプセルホテルの時も男女別でした。
セキュリティの問題で男女別になっており、個室サウナという店舗形態になったとしても同じように使えていました。
上手く用途がフィットしたコンバージョンだと思います。
あるいはかなり限定的なコンバージョンしかしにくい状態だったとも言えるかもしれません。
水廻りの壁
次に水廻りの壁です。
これは見た瞬間にピンときました。以前と全く同じタイルを利用しています。
水廻りの位置が全く同じかを確認するのは難しいのですが、まさにナインアワーズの時のタイルです。
休憩用カプセル
そして休憩用のカプセルです。
これはナインアワーズと丸々同じものが使われています。
少しでもこのように面影が残っているとどこか嬉しくなります。
窓際のカウンター
そのほか、展望ラウンジの窓際のカウンターについてもそのまま残っていました。とても感慨深かったです。
おわりに「用途変更の可能性」
以上、SAUNA RESET Pintの紹介でした。
ナインアワーズ浅草への思い入れがあったので、思わず記事にしてしまいました。
宿泊した当時は、まだコロナ前だったのでカプセルホテルも外国人が多く、観光客の靴があちらこちらに散らばっていたのが懐かしいです。
今回のように経営が難しくなった用途を時流に合わせて作り替えるというのは、今後より重要なテーマになってくるのかもしれません。
「ととのい」を感じながらそのような思いに耽った個室サウナの体験でした。
※この記事では個室サウナの中身についての紹介とともに、コンバージョンの前後の様子など建築的な視点を加えつつ書いていきます。