地上と地下の芸術対比「美麗島駅(Formosa Boulevard Station)」

建築

はじめに

美麗島駅(Formosa Boulevard Station)は台湾の高雄市にあるMRTの駅です。観光ガイドにも載っていて、美しい駅として紹介されています。ここは台湾の歴史上、民主化運動による美麗島事件が起きた場所なのです。

ステンドグラスのドーム

高雄の観光地として挙げられている美麗島駅の写真は青と赤の対比が幻想的なステンドグラスのドームです。このドームは地上にあるのかと勝手に思っていて、日中は明るすぎて絵が薄れてしまうのではないかと危惧していましたが、実際は地下にありました。そのため1日中この写真のような状態を見ることができます。

デザインはイタリアの芸術家であるナルシサス・クアグリアータがしました。ステンドグラスが嵌められている天井と柱は美しいのですが、改札の後ろのコンコースが無機質に続いていて、改札内をもっとどうにかした方がいいかなと思いました。

幾何学的なエントランス

美麗島駅には地上からアクセスしたのですが、個人的にはこの地上部分のエントランスが好きです。エントランスの設計は日本の建築家・高松伸さんです。

地上には大通りの交差点があり、その4隅にエントランスが設けられています。設計競技の要綱として記念碑的なものが求められていたらしく、4つのエントランスは交差点の中心を向いていて、モニュメント性が強いです。

このモニュメント性は丹下健三さんの東京カテドラル聖マリア大聖堂に近いように思います。ただこちらはガラスで覆われているための軽さと、分棟が作り出す求心軸があります。

おわりに〈粋な演出と最高の一枚を撮る人〉

台湾のメトロは音楽を積極的に取り入れていて、美麗島駅は愉快な発車音でした。また見学した時はたまたまピアノの演奏が行われていたのですが、ふらっと立ち寄ったみたいな服装のおじさんが弾いていたのが面白かったです。それはとても心地よいBGMとなっていました。

そして東京スカイツリーの麓でよく見かけるようなポーズで最高の一枚を取ろうとしている人もいて微笑ましかったです。

 

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