ル・コルビュジェ

建築

フランスの代表的コルビュジェ建築6選

はじめに 2019年1月にコルビュジェ建築を見るためにフランスへ行ってきました。ル・コルビュジェは近代建築の巨匠として「近代建築の五原則」を唱えた人でもあります。近代建築の五原則とは、ピロティ、屋上庭園、自由な平面、自由な立面(ファサード)、水平連続窓です。 それらを設計することによる効果を実際に見学して体験してきました。コルビュジェには個人邸宅から集合住宅、修道院など幅広い設計作品があります。フ...
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ヴォイドを使って自然光を届ける「ル・コルビュジェのアパルトマン,アトリエ(Appartement-Atelier de Le Corbusier)」

はじめに フランスのパリにあるル・コルビュジェのアパルトマン,アトリエに行ってきました。ここはコルビュジェの設計したラ・ロッシュ邸と同じく16区にあり、これらは共通チケットで見学することができました。 周囲の一連の建物の中でこのアパルトマンだけモダニズム的であるので外観は分かりやすいです。コルビュジェの集合住宅はユニテ・ダビタシオンが有名ですが、都市計画的で自己完結的なユニテ・ダビタシオンとは異な...
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汎用性を生む”さりげなさ”を設計する「ラ・ロッシュ邸(Maison La Roche)」

はじめに フランスのパリにあるラ・ロッシュ邸に行ってきました。設計はル・コルビュジェと従兄弟であるピエール・ジャンヌレです。ラ・ロッシュ邸は1925年に完成しました。施主のラ・ロッシュは美術品を飾るギャラリーが欲しいということで、そのための部屋が作られています。代表作であるサヴォア邸より前に作られていますが、ここでもコルビュジェの提唱する”近代建築の五原則”を感じることができます。 水平連続窓のあ...
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コルビュジェから学ぶ建築空間「ラ・トゥーレット修道院(Couvent de la Tourette)」

はじめに フランスの都市リヨンにあるラ・トゥーレット修道院に行ってきました。 近代建築の巨匠、ル・コルビュジェが設計したこの修道院は数々の建築家が称賛しています。 しかし実際のところ、それがどのくらいのものなのかは自分で体験してみないと分かりません。 評価が高いものでも自分がどう感じるか、善し悪しもその理由を考えてみる必要があります。 コルビュジェの影響は世界に広がり、日本にもその系譜を残してきま...
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パリの新旧建築巡り《フランス旅》

はじめに 冬に一人旅でフランスに行ってきました。初めてのフランスだったので、見られるだけ沢山の建物を見てきました。 パリでは”ミュージアム・パス”という、数日間特定の美術館等に行き放題の券を購入できたのでお得でした。これは様々な入手方法があるようですが、私の場合は駅構内で買いました。 建物は中世のものから現代のものまで、パリに渦巻く様々な建築様式を見て感じてきました。それらを年代順に紹介していきま...
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宿泊して体験するコルビュジェ建築「ユニテ・ダビタシオン(Unite d’Habitation)」①

はじめに 近代建築の巨匠、ル・コルビュジェが設計したユニテ・ダビタシオンは世界遺産となっています。 集合住宅の中にはレストランやオフィス 、保育園やホテルも含まれていて、その建物自体が一つの都市のようになっています。 貴重な機会でしたので、ユニテダビタシオン内のホテルに泊まってきました。それでは紹介していきたいと思います。 意外なボリューム感 敷地はマルセイユの中心市街の南側にあり、最寄り駅のRo...
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自然と建築の境界と向き合う「ロンシャンの礼拝堂(Notre Dame du Haut)」②

自然と建築の境界と向き合う「ロンシャンの礼拝堂(Notre Dame du Haut)」①の続きです。 境界を作るステップ この礼拝堂内部の床は祭壇正面に向かってなだらかに勾配が付いています。それを一番奥から見てみると、祭壇やベンチのところはステップが作られていることが分かります。 ステップは心身の切り替えに有効です。祭壇のところはそのボーダーが聖域を作り、ベンチのところは礼拝者の結界を作るようで...
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自然と建築の境界と向き合う「ロンシャンの礼拝堂(Notre Dame du Haut)」①

はじめに「氷点下のロンシャンへ」 「ロンシャン」という単語は建築に携わる者として何度も耳にしていましたが、それが地名ということを初めて知りました。 フランス国内でコルビュジェ建築はパリに多いですが、それ以外はパリから離れたところにあるため、色々回ろうとなると日数が必要です。 ロンシャンの礼拝堂はフランスの東側にあり、今回はスイスのバーゼルよりアクセスしました。パリから行くよりバーゼルから行くほうが...
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近代建築の五原則を肌で感じる「サヴォア邸(Villa Savoye)」②

近代建築の五原則を肌で感じる「サヴォア邸(Villa Savoye)」①の続きです。 ディテールの豊富な各居室 浴室 各居室には水平窓やトップライトが設けられていて、光が全体に届くようになっています。特に浴室の上から差し込む光が演出的で、思わず長風呂してしまいそうだなと感じました。 リビング リビングは中庭への大開口があり、シームレスな一体感があります。天井を見ると照明が間接照明になっていて、コル...
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近代建築の五原則を肌で感じる「サヴォア邸(Villa Savoye)」①

はじめに「コルビュジェ建築との対面」 サヴォア邸は近代建築の巨匠とされるル・コルビュジェが設計したサヴォア家の週末住宅です。建築に携わる者は必ずや勉強するであろうコルビュジェの建物と建築論ですが、今でこそその素晴らしさは分かるものの、初学者がいきなりコルビュジェの素晴らしさを説かれても分かりにくいのではないかと思っています。 体系づけて考え、そして近代建築に限らず様々な建築体験をしていった蓄積が建...
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