はじめに「高雄の港湾エリアを散歩する」
高雄は台北に次ぐ台湾第2の都市です。
台北の建物の密集具合とは対照的に、現代的な都市計画の元に街が整えられている印象があります。
それもそのはず、高雄市は海洋都市政策により、元々台湾一の商業港であった高雄の海沿いを発展させようとしているのです。
本記事では、高雄の海近くを散歩しながら発見した場所を紹介します。
高雄港18番ワーフ・TESL高雄電競館
高雄港18番ワーフは高雄85ビルから海側へ10分ほど歩いていくとあります。海辺にはデッキが張られていて、歩いていて爽快な気分になりました。
そのデッキはずっと続いており、歩いていると海に顔を見せる建物群が現れます。それはTESL高雄電競館という、Eスポーツをするための施設です。
その建物は屋上が日常解放されており、階段を上って、海の景色を少し高い視点から見ることができます。
観光地としてはマイナーなのか、歩いている人はあまり見受けられませんでした。
高雄流行音楽中心(Kaohsiung Music Center)
高雄流行音楽中心は、スペインの設計事務所「MADE IN」によって設計された音楽ホールです。
敷地面積はなんと11ヘクタールもあり広大です。建物の外観は、幾何的に積み上がった形態が特徴的で目に留まります。
行った時は建設中でしたが、現在はオープンしているようです。
ちなみに新築にあたり、国際コンペが2011年に行われたらしいですが、 日本の建築家、平田晃久さんが2等だったようです。
平田さんは台北で「富富話合」という面白い作品を作っていて、下記記事の中で紹介しています。
駁二芸術特区大義C8倉庫(The pier-2 art center Dayi area C8 warehouse)
通称、駁二(ばくに)アートセンターのエリアは、旧港湾倉庫をリノベーションし、商業・芸術の施設にしています。
倉庫には番号が割り振られているのですが、C8倉庫の中には雑貨屋などが入っています。
外観の見た目にも分かりやすい、外装のレンガが剥がれているというオールドな質感は、新しいものではなかなか出せないもので、唯一無二の価値が出ています。
その近くにはLRTが走っており、駁二大義駅が近くにあります。
路面電車であるため線路による隔たりがなく、さまざまな要素が溶け合って一体的な風景を作り出しています。
駁二塔近くのアート展示(Near the pier-2 tower)
前述の駁二芸術特区大義C8倉庫の近くに、駁二塔(ばくにとう)という建物があります。
そしてその隣は、芸術作品の屋外展示が行われるスペースのようです。
行った時は「鉄」がテーマになった展覧会を開催していたので、鉄を使ったアートが見られました。
日本からは菅野麻依子さんという方の作品が展示されていました。
駁二蓬莱倉庫群(Penglai Pier-2 warehouses)
駁二(ばくに)アートセンターの「B3〜B10倉庫」に当たるエリアです。
倉庫をリノベーションして、商業施設や鉄道館が入っています。行った時は期間限定でムーミンショップもありました。
敷地内にはテーマパークのごとく、ミニ列車が走っていました。
倉庫の先は広い原っぱで、レールの痕跡があるのですが、ここは元々は車両基地として使われていたようです。
その公園は「哈瑪星鉄道文化園区」といいます。
ここを見ていると、記憶を残すために建物を作らないという選択も大切だと感じました。
おわりに「歩く楽しさを演出」
高雄では港湾エリアを発展させていこうという政策の様子が顕著に見られます。
その結果、観光客にとっても楽しい街になっているのですが、なんといっても「歩く」という行為を楽しく演出させるようなまちづくりのあり方は参考になります。
LRTが走っているあたりも魅力的に見える一因なのでしょう。
まだまだ発展を続ける高雄にこれからも注目していきたいです。