国立駅徒歩1分は国分寺市?|国立駅北口のまちあるき

国立駅徒歩1分は国分寺市?|国立駅北口のまちあるき

はじめに「国立駅の北側はほぼ国分寺市」

今回は国立駅周辺に行って、街を観察してきました。

国立市は一橋大学を始め文教的な街として知られていますが、それらは国立駅の南側に位置しています。

駅の北側は住宅街が広がっており、徒歩1分くらい進んだところから国分寺市になるという特徴があります

国立駅の南側はフォーカスされやすいですが、それでは駅の北側はどうなのか、という観点で街を歩いてきました。

この記事では建築士という視点から、主に建築的・都市計画的な側面で紹介していきたいと思います。

まちを歩いて発見した建物を調べる

街の特徴を発見するためには、そこにある建物を観察し、そして調べてみるのが良いです。

国立駅北側で発見した建物について、紹介したいと思います。


クレッセント国立・ディアナプレイス

クレッセント国立・ディアナプレイスは、北口に聳え立つ高層マンションです。

エキスパンションジョイントを用いながら東西に長く伸びる建物です。

都市計画的には、敷地北側が第一種低層住居専用地域で高度斜線もかかっているため、用途境のところまでしか建物の高層ボリュームが建てられないという特徴を持っています。

また、東側より西側の方が南北方向の敷地が狭いため、より日影規制は厳しく、ボリュームも低層となっていると思われます。

下図はグーグルアースの写真ですが、東西に長い様子と建物のセットバック具合がよく分かると思います。

【参照】Postcard from Google Earth
https://earth.app.goo.gl/5MhFp8
#googleearth

物件概要

用途:分譲マンション
竣工:2003年2月
階数:地上13階、地下1階
総戸数:238戸
敷地面積:8,128.06㎡
延床面積:22,416.03㎡
用途地域:第一種低層住居専用地域・近隣商業地域
指定容積率:100%、400%
高度地区:第一種高度地区(一種低層)
事業主:モリモト、双日
設計:INA新建築研究所
施工:東急建設
所在地:国立市北1-7-1


くにたちの杜プラース国立弐番館

くにたちの杜プラース国立弐番館は、国立駅北口の徒歩1分のところにあるマンションです。

徒歩1分ですがここから北が国分寺市になります。

都市計画図を見ると、敷地内に国立市と国分寺市の境界があることが分かります。

建物形状としては、日影規制のために北側はセットバックしていると思われますが、その様子は下図のグーグルアース写真からもよく分かります。

【参照】Postcard from Google Earth
https://earth.app.goo.gl/GBJJU3
#googleearth

ちなみに、道路を挟んだ南側には「壱番館」が立っています。

この2つは隣接するものの、かかっている都市計画が異なっているところが建物形状に表れています。

壱番館(北側に隣接するのが弐番館)

【参照】Postcard from Google Earth
https://earth.app.goo.gl/FJkC53
#googleearth

用途地域は同じ近隣商業地域なのですが、壱番館は東側に第三種高度地区がかかり、西側が高度地区の無いエリアとなっています(道路境界から20mの範囲)

そうなると高度斜線のかからない道路側に高いボリュームを積めることになります。

それがまさに弐番館と壱番館で建物配置計画や階数が違う理由だと思われます。

物件概要

用途:分譲マンション
竣工:1997年11月
階数:地上13階
総戸数:34戸
敷地面積:1,554.35㎡
延床面積:
用途地域:近隣商業地域
指定容積率:300%
高度地区:第三種高度地区
事業主:泰凰商事
設計:O&S設計企画、大成建設
施工:大成建設,白木建設
所在地:国分寺市光町1-41-6


グランウッド

グランウッドRC(鉄筋コンクリート造)の壁式構造のマンションです。

平成建設が設計施工を担当しています。

中庭を設けたり、ゆとりを持って計画されていることが特徴的です。

2つの用途地域にまたがる敷地なので、道路側の第二種住居地域が4階建、第一種低層住居専用地域の部分が3階建になっています。

また、敷地は国分寺崖線区域に入っており、建築計画の際に緑地や空地を多く設けることが求められています。

物件概要

用途:賃貸マンション
竣工:2012年11月
階数:地上4階
総戸数:56戸
用途地域:第二種住居地域、第一種低層住居専用地域
指定容積率:200%、80%
高度地区:第二種高度地区、第一種高度地区
設計:平成建設
施工:平成建設
所在地:国分寺市光町1-30-7

街の高低差の正体、国分寺崖線

国分寺崖線区域について先述しましたが、歩いていて新築中のマンションの看板にも国分寺崖線区域に該当するということが書かれていました。

新築マンションの看板

国分寺崖線区域とは、立川市から大田区まで約30kmに及ぶ崖池のことです。

国分寺市では、その崖線における緑地保全や景観形成、湧水活用などに対して基準を設けて、崖線の保存に取り組んでいるようです。

国分寺市における国分寺崖線区域は下図のとおりです。

【引用】https://www.city.kokubunji.tokyo.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/002/248/kyodou_chitujyo.pdf

建築計画を行う敷地が国分寺崖線区域に入っている場合は、高さ制限や緑地率、空地率の制限を受けることになります。

街を歩いていても崖線という名だけあり高低差があります。

その高低差は階段や坂道となって現れてきます。

崖線区域の坂道

ちなみに、急な坂道ではよくドーナツ形状にくり抜かれたコンクリート舗装になっています

これは滑り止めの役割に加え、アスファルトは急な坂道を施工しにくい(重機での締固めが困難)という理由からこのようになっています。

街の緑を保全する生産緑地地区

歩いていると生産緑地地区を発見しました。

国分寺市内の農地の9割が生産緑地地区に指定されているらしいです。

主に農地に当たるのですが、生産緑地という扱いにすると、所有者は維持管理が必要になる代わりに、相続税など税制上のメリットがあります。

もちろんそれは個々人のメリットのためだけではなく、街の環境を保全するためにも作られている都市計画の制度なのです。

おわりに「南口は次の機会に」

以上、国立駅の北側エリアの紹介でした。

かなり局所的な一面を切り取っただけですが、それでもこのエリアの特徴を知ることができました。

国立や国分寺の街、そして国分寺崖線や文教地区の国立南口、調査してみたいことは増えていくばかりですが、それはまた次の機会に調べてみたいと思います。

この記事が何かの役に立てれば幸いです。

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