はじめに「名古屋のラグジュアリーホテル」
名古屋にある都市型ラグジュアリーホテル、TIAD, Autograph Collectionに行ってきました。マリオット系列のホテルです。
2023年にオープンしたホテルですが、完成当時から気になっており、ようやく行くことができました。
TIADは愛知県と名古屋市によるラグジュアリーホテル誘致のための補助金認定(高級ホテル立地促進補助金)の第一号であり、ミシュランキーで一つ星を獲得しているホテルでもあります。
名古屋には今後、2026年にコンラッド、2034年にアンダーズが開業予定で、外資系のラグジュアリーホテルが増えていく予定です。
TIADはそれらがオープンしたとしても引けを取らないであろう魅力あるホテルでした。
ブルーボトルに立ち寄り
名古屋駅から2駅離れた栄駅で降りて、ホテルへ歩いて向かうことにしました。
ホテルの最寄駅は矢場町駅なのですが、なぜ栄から歩いたかというと、栄にあるブルーボトルコーヒーに寄ってみたかったからです。
ここは、建築家の芦沢啓治さんが内装デザインをしており、ピンクを基調とした柔らかな雰囲気かつ洗練されたインテリアなのです。

洗練されたインテリア

使われていたタイル
土日はかなりの人で混雑しているのですが、平日はやや空き気味でした。
カフェは商業ビルの一階にあるので、外観はガーデンウォールでありふれたものですが、魅力的なインテリアが外まで表出していました。

ビルの外観
多機能なラグジュアリーシティホテル
栄駅から矢場町駅へと、ひさや大通りを南下し、ホテルに到着しました。
人を迎え入れるようなエントランスデザインで、ゲート状の石も正面と側面で仕上げ方を変えるという凝ったデザインでした。

エントランス(昼)

エントランス(夜)
そして正面の自動ドア越しに奥の車寄せが見えました。あまりこのようなレイアウトのホテルは無いので新鮮でした。

奥の車寄せの様子
ロビーは5階にあるので、1階から専用エレベーターで向かいます。

エントランスホール

専用エレベーター
1階には広めのエレベーターホールがあり、その一角にショップも併設していました。そこではスイーツなど買うことができます。

1階のショップ
エレベーターホールと反対側には、ドレスショップもありました。
どうやら結婚式もできるようで、チャペルや宴会場も併設しています。従来のシティホテルとも言うべき多くの機能を備えています。
5階にてチェックイン
5階ロビー階にあるレセプションで、チェックインをしました。

ロビー

レセプション
外資系ホテルなので、外国人の宿泊者はどれくらいの比率か聞いてみたところ、多い時で8割くらいだそうです。
「多い時で」という話もあったとおり、泊まった実感としてはそこまで外国人は多くなく、「3割いるかな」と思うくらいでした。
そしてレセプションでカードを受け取り、エレベーターへと向かいます。

レセプションからエレベーターまでの廊下

エレベーターホール
エレベーター内のカードリーダーにタッチして、今回泊まる9階へと向かいます。

エレベーター内
客室フロアは茶系の大人なインテリアで、「ラグジュアリーホテルに来たな」という期待感が高まりました。

客室フロアのエレベーターホール

客用廊下

上品なカーペット
9階のフロアプラン(避難経路図)も参考までに載せておきます。

9階の避難経路図
ベッドを中心にした客室レイアウト
客室ドアにカードをかざし、ドアを開けると同時にカーテンが開き出しました。

客室ドア

部屋に入るとカーテンが開く演出
たまにある演出ですが、サプライズ感があって嬉しくなります。
今回泊まった客室は、ベッドが部屋の中心にある「ユーフォリア プレミアキング」です。広さは60㎡あります。
プランを載せたいと思います。

ユーフォリア プレミアキングの間取り(宿泊したのは反転タイプ) 【参照】https://hotel-tiad.com/room/
このようにベッドを中央に配置にするには、客室間口がある程度必要になり、贅沢なのであまり多くは見られない配置です。
ですが、それもあってか新鮮でゆとりを強く感じられました。

中央に置かれたベッド

ゆとりのあるベッド周り
ベッドの両脇に十分な通路幅があり、ベッドの正面にはデイベッドがありました。

デイベッド(写真左)
窓の外一面は、奥行きこそないものの植栽帯があり、気持ちの良い空間でした。

窓の外の植栽帯
確かに植栽がないと殺風景とも言える街中の景色なので、緑が手前にあることで視界が豊かになります。
メンテナンスには多少手が掛かりますが、こういうゆとりのある空間、建築づくりがもっと増えるといいなと思いました。
ベッドの背面には幅2mほどの洗面台があります。この配置も面白いです。

ベッド背面にある洗面台
トイレから少し離れているので、使い勝手という面で気になるところはありましたが、それでもここに洗面があることによる空間の豊かさの方がメリットに感じました。

ワンボウルの洗面台
こういう配置を提案して最終的に完成まで至るというのは、設計者の手腕だったり、事業者や運営の寛容さ、センスだったりするので、背景まで考えると色々な議論があったのかなと思いました。
その洗面の裏にトイレとバスルームがあります。

トイレとバスルーム
ここは寝室とは区切れるように引込戸が設けられていました。

引込扉(写真手前)
水回りはダークグレーのタイルを使った暗めの空間で、かっこよかったです。

ダークグレーのタイルとアメニティ

トイレ
またバスルームには水色のタイルが使われていました。

バスルーム
1日中過ごしたくなるウェルネスエリア
私がこのホテルで一番好きなエリアを紹介します。
それがウェルネスエリアです。ここにはプール、ジム、更衣室、浴場、ラウンジがあります。
まずはプールに入ってみよういうことで、チェックインしてすぐにプールへ向かいました。
プールは予約制だったのでレセプションで名前を伝え、靴箱の鍵をもらい更衣室に向かいました。

ウェルネスエリアのレセプション
更衣室のロッカーはデジタル式でした。
そして着替えてプールに向かいます。階段を数段上がった先にプールがあります。
写真がNGだったので、HPの写真を載せたいと思います。

プール【参照】https://hotel-tiad.com/wellness/
カーテンウォールで天井も高い開放感のある空間で、窓の奥にはテレビ塔も見えました。
プールに潜ってみると、突き当たりがアクリルでできており、外が見えました。面白い仕掛けです。
プールで運動をし、採暖室で温まってから更衣室に戻りました。
更衣室には浴場が併設しているので、そこで体を癒しました。

浴場【参照】https://hotel-tiad.com/wellness/
浴場はこじんまりとしており、洗い場3つと内風呂、水風呂、サウナがありました。
小さくてもお風呂に入れるというのは嬉しいもので、より満足感が高まりました。
そして湯上がりにラウンジへ行きました。ここではフルーツなどの軽食やドリンクを無料で頂けます。

ウェルネスラウンジ

軽食

ドリンク
そのおもてなしに心地良くなってきます。すっかりホテルが好きになりました。
そしてラウンジで休んだ後はジムへ行きました。

外の眺めも良いジム

ジムには様々な器具が置かれている
ジムは満遍なく器具が揃っており、トレーニングをし、疲れたら再びラウンジへ行きました。
ドリンクにはプロテインもあるので、有意義な運動をしている気分になりました。自分のお気に入りはフルーツとマッチです。

運動後のフルーツとマッチ
他のラグジュアリーホテルにも、こういうウェルネスラウンジが欲しいなと思いました。
久屋大通の緑を借景にしたオールデイダイニング
朝食はロビーと同じ5階にあるオールデイダイニングでいただきました。ブュッフェ形式でした。
窓の外には久屋大通の緑が見え、気持ちの良い時間でした。

朝食のビュッフェ

朝食で賑わうレストラン
夜はバーも営業しており、外のテラスも気持ちよさそうでした。
ウェディング会場を見学
せっかく良いホテルに泊まっているので全体を探検したくて、他のフロアも見学に行きました。
3階でエレベーターを降り、奥に進むと、ラウンジがありました。夕方の時間に行くとアフタヌーンティーをやっていました。

3階のラウンジまでの廊下

ラウンジ【参照】https://hotel-tiad.com/dining/
ここも大通りの緑が目の前にあり、優雅な時間を味わえます。
その先も進んでみると、広めのホワイエがありました。

ラウンジ奥にあるホワイエ

ホワイエには別動線の階段・エレベーターで行ける
そして運良くチャペルも案内してもらうことができました。

チャペル
入ると「おっ」と驚く空間で、2500個ものライトが吊り下がっていました。
新郎新婦は外のテラスからこのチャペルに入場します。
ここの式場は人気だろうなと感じました。
おわりに「丁寧につくる」
以上、TIAD, Autograph Collectionの紹介でした。
「全体として丁寧に作られている」というのが泊まった印象です。これだけ完成度の高いものを作れると、関係者はみな誇らしいだろうなと思います。
たまたま近くの家具屋を見ていた時に、その店員さんが「TIADに行きたいと思っているけどまだ行ったことがない」と言っていました。
やはり、地元の人にもその存在感は強いのだろうなと思いました。
「名古屋に来ても何もない」とも自虐的に言っていましたが、TIADに泊まることがその目的としても十分だと思います。ぜひ、名古屋に行った際は泊まってみて下さい。