台湾では稀なヒノキの和空間「Whitestone Gallery」

建築

はじめに

台湾の隈研吾建築としては花蓮県にあるコンテナのスターバックスが有名ですが、台北の西湖駅近くにあるこの「Whitestone Gallery」のインテリアも隈さんが手掛けています。

実は2018/11/3~12/30の間に台中で隈研吾展が開かれていたのですが、こちらの方は都合がつかず逃してしまい残念でした。

しかしそれはマテリアルに焦点を当てた建築展のようで、以前に東京駅のギャラリーで開催された「くまのもの展」と同じようなものだと思っています。

それでは、隈研吾さんの設計したWhitestone Galleryについて紹介していきたいと思います。

台湾では少ない木質感

内外装の木材はヒノキがふんだんに使われているのですが、ここを見てふと台湾で木質感のある建物を全然見ていないことに気が付きました。

台湾の建築プロジェクトを見ても「木」という材料を使っているものが少ないので、日本では当たり前のようになっている木の利用は実は他の国では珍しかったりするのかなと思いました。

エントランスへ入ると2階へと上がる階段が壁の木の層から派生してくるように見えて、ずれが空間を作っていく様子を感じ取れます。

このヒノキは105角なので日本的な最小スケールがここに忍ばせてありました。1階は事務室と展示室があり、展示はチケットなどを必要とせずに見ることができました。

2階には茶室が展示されていて実際に中に入ることもできます。茶室は他の美術館にもあったりして、外国で見ると和空間というものは一線を画すものがあるなと思いました。

日本人としての最低限の教養としてもっと「和」の勉強をする必要を感じさせられます。そして茶室に見られるコンパクトなまとまりと温かみこそが「和」なのだと思いました。

Chris Succo 作品展

2018/11/17~12/30までChris Succo(クリス・スッコ)というドイツの芸術家の作品展が開催されていて、それを見てきました。

抽象絵画を描く人として知られているようですが、検索しても日本語ではヒットしなかったので、日本ではあまり知られていないのかもしれません。

初心者にとって抽象絵画はまじまじと見ても理解するのが難しいので、ちょっと視点を変えてどんな下地に何を使って描いているのかを見る理由に置き換えてみたりしています。

それは答えがあるので、変な見方ですが意外と楽しかったりします。安易に答えを求めないのが抽象絵画なのかもしれませんが、そこら辺の真意を知るのはひとまず今後にお預けです。

おわりに

2階の展示室にチェスの駒のような椅子があり、空間のどこに置いてもさりげなく存在感を示す良いインテリアだなと思いました。

隈さん特有の木材で包み込む空間しかり、人に近い木という素材は台湾ではもっと利用価値があるように思いました。

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