建築

ラフなレンガの表情と回遊プラン「林原美術館」

はじめに「3つの前川建築が近接する岡山市」 林原美術館は岡山県岡山市にあります。設計は前川國男さんです。 岡山市には林原美術館の他に、”岡山県庁舎”と”天神山文化プラザ”の2つが前川建築として存在しています。 それぞれ徒歩圏内で行けるので、見学者にとってこの距離感は非常にありがたいです。 林原美術館は1964年に開館しましたが、当初は岡山美術館という名称だったそうです。 のちに岡田新一さんの設計し...

サイクリングで橋を学ぶ《しまなみ海道》

はじめに 私は普段、建築ばかりに目を向けているのですが、土木も建築に近い分野でしかも「橋」というのは構造的な考え方がとても勉強になりますし、形の美しさがあります。 今回はしまなみ街道を渡って見た橋を例に挙げながら学び、理解を深めていこうと思います。 《参考文献》 ♦トコトンやさしい橋の本(依田照彦・著)←初学者として読んで分りやすかったです ♦写真で見る橋の構造形式ー道路橋の保全のために(藤原稔・...
建築

非直線のひだと表面のクラフトによる大空間「日生劇場」

はじめに「建築家・村野藤吾」 村野藤吾(1891-1984)さんは、同じく建築家の丹下健三さんと対比的に考えられることが多いようです。 その年代ではモダニズムの思想が建築界にも取り巻いていたので、多くの建築家がモダニズム建築を作っていました。 しかし村野さんはそのベクトルとは違う、大衆に向けた建築をつくる人でした。 実は村野さんは大学では初め電気を学んでいたのですが、自分には向かないと感じ途中で建...
展示

過去を読み解き未来に繋げる、建築という記憶の設計「田根剛|未来の記憶」展

はじめに「田根剛さんの個展へ」 東京オペラシティで開催した「田根剛|未来の記憶 Archaeology of the Future -Digging & Building」展に行ってきました。 展示はいくつかありましたが、個人的に気になったものだけ抽出して紹介します。 【会期】2018.10.19~12.24(終了) 【場所】東京オペラシティ アートギャラリー (function(b,c,f,g,...
建築

風光明媚な大三島を感じ、いざ建築へ「今治市伊東豊雄建築ミュージアム」

はじめに「瀬戸内海の大三島へ」 今治市伊東豊雄建築ミュージアムは瀬戸内海の大三島(おおみしま)にあります。 大三島はしまなみ海道が通っているため、今回は自転車をレンタルしアクセスすることにしました。広島県の尾道から大三島は4~5時間くらいで行けます。 自然あふれる島々と澄んだ内海を見ながら進めんでいるためか時間はあっという間に過ぎてしまいます。問題は大三島に入ってからミュージアムに行くまでの道のり...
建築

さんかくの建物に沿った展示空間「坂の上の雲ミュージアム」

はじめに「建築家・安藤忠雄の設計」 愛媛県松山市にある坂の上の雲ミュージアムを紹介します。設計は安藤忠雄さんです。三角形のエッジの効いたガラス張りの外観と建物内外を回るスロープが特徴的な建物です。 大阪には「坂の上の雲」の作者、司馬遼太郎さんの記念館があり、その設計を安藤さんが担当したことがきっかけでこのミュージアムの設計も決まったようです。 司馬遼太郎記念館が曲面の外壁で受動的に周辺環境を取り込...
建築

建物を貫くエスプラナード「熊本県立劇場」

はじめに「自動車中心の市街地」 熊本県立劇場は熊本県熊本市の市街地から少し離れたところにある劇場です。設計は前川國男さんです。 アプローチ部分に劇場案内などの看板に混じって前川さんの設計の紹介がありました。そうやって設計者の紹介がされているのを見ると嬉しくなります。 夜に行ったということもあり、外観は闇に溶け込んでいましたが、ガラスから内部の光が漏れていました。 劇場は平日の夜ということもあってイ...
建築

駅に併設するカフェと本屋と図書館「周南市立徳山駅前図書館」

旅路での予期せぬ発見 その時は一本取られたというか三本くらい取られた気分でした。山口県宇部市にある渡辺翁記念会館から岩国市の錦帯橋へ向かう途中に徳山駅という駅で乗り換えがありました。 乗り換えのために空き時間が40分もあったため地方の乗り換えの長さを感じ、何していようかなと思いながら駅に着くと、電車のホームに面したガラス窓から温かみのある明かりが漏れていました。 よくよく見ると本がずらりと並んでい...
建築

丘の上に建つ軽やかな建物「八代市立博物館 未来の森ミュージアム」

はじめに「八代城跡から探る八代市の歴史」 八代市立博物館は熊本県八代市にあります。八代市は熊本市から電車で1時間ほど南下したところにあります。最寄りの八代駅から20分ほど歩くと急に商店街が現れ、さらには役所や総合病院などの都市機能が見られてきます。 ということは以前何かで栄えた名残があるということで、予想通りその先には八代城跡が存在しました。この「駅→市街地→城」の構図は覚えておくと色んな場所であ...
建築

多才な人物×多彩な仕掛け「伊丹十三記念館」

伊丹十三のいた町、松山 伊丹十三記念館は愛媛県の松山市にあります。「いよ立花駅」から徒歩15分ほどで着きます。伊丹十三さんは父、伊丹万作さんの死を機に松山に引っ越してきたらしいです。 伊丹十三さんは子供の頃から独創性があって、絵心があり、料理好きで、俳優をやり、映画監督までもやるなど総じて13もの顔があるとされるほど多彩な人でした。 様々なことに手を伸ばしていたのは、全て映画監督になるための助走な...
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