はじめに「オープンしたての見学」
扇型の建物形状に内包される「和空間」
構造は地下はRC造とSRC造、地上はS造で、内装には檜がふんだんに使われています。
外観は都市部の無機質な建物が立ち並ぶ中で扇型の敷地に沿った建物形状が奥行き感を与え、ガラスに透過された内部の木が出す表情が印象的です。
そして入口に「とらや」の文字が書かれた暖簾があることで、一瞬にして和を内包する建物であることが分かります。
暖簾というのは日本的なエレメントで光・風・視線の制御として使われるものですが、このような制御機能を持つものは地域によって特有だと思います。
例えばイスラムの世界だとマシュラビーヤという木格子がそれに当たります。
現代建築はそういったバナキュラーな機構を再解釈していくと場のシチュエーションになじみやすいように思います。
内部は圧倒的な木の量でした。
しかし地下の天井・床・壁と全てが木の空間は手摺とか段差、階段のノンスリップなどは少し視認性が悪いようにも思いました。
「赤坂御用地」を望める立地
北側の前面道路の青山通りを挟んだ反対側には赤坂御用地があります。
お食事処は最上階(3階)にあるので、とても眺めがいいです。
内部のソファ席からでも望めるのはもちろんなのですが、外のテラス席はとても居心地が良さそうでした。
人生初とらやを経験して
今回初めてとらやの羊羹を頂きましたが逸品でした。
ちょっと贅沢な食べ物はそれを受け止めてくれる空間があってこそ嗜めると今回学びました。
羊羹を食べる時は大きな爪楊枝のようなものを使って食べるのですが、これは黒文字(くろもじ)というらしいです。
クスノキ科の黒文字という木から作られるのだそうです。
そして最後の会計の際に細かいお金を持っていなく一万円札で払ったのですが、お釣りのお札が全て新札であったことに、おもてなしの精神を感じ嬉しくなりました。
こういうことは相手の立場に立つということの究極なのだと思います。
今回は建物見学を目的に行ったのですが思いがけない収穫も同時に得ることができ大満足でした。
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おわりに「後日、京都のとらやへ。」
後日、京都にある「虎屋菓寮 京都一条店」にも行ってきました。
こちらは平屋の建物になっています。ぜひ合わせて読んでみてください。