超高層に生まれ変わったホテルオークラ東京に宿泊|The Okura Tokyo

ホテル

はじめに「歴史あるホテルオークラ」

ホテルオークラ東京は1962年に開館しました。現在は建替え後の超高層ビルになっており、「The Okura Tokyo」と名前も変わっています。

※今回は、The Okura Tokyoのプレステージタワーにある「プレステージルーム」に宿泊してきましたので、建築的な視点を交えて紹介していきたいと思います。
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様々な選択肢のある客室

プレステージタワー

こちらのオークラには、客室のある建物2棟が建っています。地上41階建の「プレステージタワー」と地上17階建ての「ヘリテージウイング」です。

ヘリテージウイング

メインとなるのがプレステージタワーで、その別棟がヘリテージウイングになるのですが、どちらの客室も魅力的です。

プレステージタワーは超高層ビルであり、低層にはオフィスが入っていて、客室は28階〜40階までという構成になっているので開放的で眺めが非常にいいです。

一方別棟のヘリテージウイングはより和風の客室となっており、全室50平米以上でゆったりとした造りになっています。

それらはどちらが良いという感じではなく、どういった過ごし方をしたいかで選ぶのだろうと思います。

その選択肢の中で、今回は超高層で眺めのいいプレステージタワーの客室に宿泊しました。

ビューバスのあるプレステージルームに宿泊

今回宿泊したのは28階〜33階までにある「プレステージルーム」になります。客室は広く、48平米もあります。

プレステージルームは次の3つの種類の客室タイプに分かれています。

・ワイドリビング
・ビューバス
・アクセシブルルーム(ハンディキャップ)

今回はその中の「ビューバス」タイプに宿泊しました。

※ビューバスとはその名の通り浴室が窓に面していることを指します。お風呂が好きな人はビューバスの客室を選ぶのがいいと思います。

一筆書き動線の客室

それでは部屋の中を紹介していきます。部屋の間取りがあるとイメージしやすいと思いますので、オークラHPにある間取り図を載せておきます。

viewbath@2x.png

【出典】https://theokuratokyo.jp/stay/prestige/

ちなみに客室の基本デザインにはロンドンのデザイン事務所、GAデザイン・インターナショナルが参画しています。

※GAデザインは、オークラのほかパレスホテル東京も手がけています。

外へ視線の通る玄関

部屋に入った瞬間から感動しました。玄関から洗面、浴室が直線上にあり、ビューバスであるために玄関から外の景色が臨めます。

この部屋の間取りでいいなと思ったのは一筆書きの動線です。玄関、寝室、洗面が一筆でつながっていて、ぐるっと一周できます。

ゆったりとした寝室

寝室は広く、テーブル、ベッド、ソファが置かれています。広さを感じさせる要素のひとつに高い天井があります。寝室は天井高が3mもあります。

テーブルでも寛げ、ソファではより窓に近いので、外の眺めを楽しみながら寛ぐことができます。

窓際には腰掛けられるくらいの高さの窓台があります。仕上げはアッシュ材のフローリングです。

ベッドボードは豪華にも壁一面に伸びていて、壁には織物クロスが使われていました。その対面であるベッドの正面には、壁掛けのテレビがあります。

ベッド脇は十分にスペースが空いているので、人がすれ違うのにも問題ないくらいです。ベッド脇3方の広さは部屋の中を動く上で結構重要だと思っています。

欲しいところに欲しいものがある洗面所

洗面の壁・床には大理石が使われていました。大きな鏡と小物置き、引出しがあり、十分な機能性がありました。

洗面の両脇の形状が不自然に折れていたのでなぜかと考えていたら、引き出しが干渉してしまうからなのだと分かりました。

洗面周りのアメニティも十分に揃えられておりました。洗面まわりには次のようなものがありました。

・スキンケア用品(Miller HarrisTHREE
・タオル
・コップ
・ペットボトルの水
・ティッシュ
・石鹸
・ドライヤー
・ゴミ箱
・体重計

それぞれがここにあったらいいなと思う場所にあるので、オークラのおもてなし精神がここに現れているのだと思いました。

東京を一望できるビューバス

ビューバスは在来工法で作られていました。浴槽は樹脂製ですが、床や壁は洗面所と同様に大理石の壁・床になっていました。

浴室と洗面所間の仕切りがガラスになっているので、仕上げ材も相まって洗面所と一体的な空間になって広く見えます。

浴室はビューバスということで、ガラス張りの窓に面しています。とても眺めがいいので昼間から入りたくなりますが、もしかしたら、どこかのビルからは見えてしまうかもしれません。

そのため、ブラインドも備え付けられています。昼間も夜も入浴しましたが、高層階で景色を見ながら時間を過ごすというのは素晴らしい体験でした。

さらにはテレビも付いているので、つい長風呂してしまいます。ガラスはLow-E複層ガラスなのでこれだけ窓が大きくても冬でも暖かく、結露もありませんでした。

シックなトイレ

トイレの仕上げも洗面・浴室と同様に大理石になっています。

TOTOの便器が使われていました。紙巻器は2つ付いていて、その上に小物を置ける台が作られていました。下地でステンレスが入っていて、その上に大理石を載せてできていました。

スマホを置いたり、このようなスペースは重要だと思います。

この気配りにもオークラの接客精神が感じられます。使いやすいとはどういうことだろう、ということを徹底して研究しているような気がします。

さらにトイレ内には電話も置いてありました。緊急時にかけたりするものですが、ここまで配慮しているのかと驚きました。

トイレの正面は手洗いがあり、一面に鏡が貼られているので非常に広く感じました。背面が間接照明になっているところも品があって良かったです。

ネスプレッソのコーヒーメーカーとガラス扉の冷蔵庫

寝室の一角に物入れのような家具があります。その扉を開くと中にコーヒーメーカーや冷蔵庫、食器などが入っています。

冷蔵庫は閉まっていても、中身が見えるようにガラスの扉になっています。痒いところに手が届くとつくづく思います。これで利用者は冷蔵庫の扉を開けて中身を確認するという手間がなくなります。

コーヒーメーカーはネスプレッソ製のものです。コーヒーのカプセルを差し込み、水を入れたら1分もかからずすぐ作れる優れものです。

高級ホテルではネスプレッソ製のコーヒーメーカーが使われているのを度々見かけます。

オークラではそんなネスプレッソ製のカプセル用に掘込みが作られた引出しになっていました。そこまでやるのかと感んじるこだわりでした。


スッキリとした空間を作る取手

部屋の間取りは一筆書きになっていて無駄を感じなかったのですが、それには取手も一躍買っていました。

先ほど紹介した洗面所やトイレに使われている引き戸の取手は、扉に組み込まれていて開いた時に完全に壁面と同面になります。

※こういった引き戸は指が挟まれないように引き残しを設けることが多いですが、壁と同面まで引込むとスッキリします。

完全に引き込んだ時でも扉を閉められるような取手の形状になっていて、一般の戸建て住宅でも十分に使えるのではないかと思いました。

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おわりに「また泊まりたくなる体験ができたホテル」

良いホテルに行くと学べることがたくさんあります。中でもオークラは利用者にとっての使いやすさが徹底的に考えられたホテルだと思います。

空間のつながり方や広さ、動線の考え方、見せ方など建築的にも勉強になるものばかりです。建築をやっていない人でも「自分の家にこれを取り入れたい」など参考になると思います。

他のタイプの部屋にも泊まってみたいと思うくらい特別で、心地よい体験ができました。

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