最上級のレストラン・プールで学ぶラグジュアリーホテルの設計|アマン東京

ホテル

はじめに「世界に展開するAMAN」

アマンは世界中に展開するラグジュアリーホテルのブランドです。日本では東京、京都、三重にあります。

そのロケーションの良さを最大限に引き出すことを意識して作られているホテルで、基本的に110万円以上する高級ホテルです。

※記事を書いた2022年3月の段階では1泊13万円くらいだったのですが、コロナ明け以降値上がりし、2024年1月現在では26万円ほどになっています。

ちなみに国内で3つだったアマンですが、2023年には北海道のニセコに開業予定です。

2023年予定でしたが、オープンは遅れているようです。

さらには2023年に竣工した、東京で大注目の再開発事業「虎ノ門・麻布台地区第一種市街地再開発事業」に伴って、アマンが手がける住宅「アマンレジデンス東京」がオープンします。

そしてアマンの姉妹ブランドであるジャヌが「ジャヌ東京」を2024年3月にオープンします。

今回はそんなホットなアマン東京で、普段できない体験をしてみようと思い行ってきました。宿泊はまた今度とし、今回はランチを目的に行きました。レストランの内部だけでなく、有名なエントランスロビーやプールも見学してきましたので、建築的な視点を加えながらアマン東京を紹介していきます。

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アマン東京が入る大手町タワー

アマン東京は建物の33階〜38階部分にあります。

その建物は大手町タワーといい、オフィスをメインとした駅直結の超高層ビルです。大手町タワーの建物概要は次の通りです。

大手町タワー概要

住所:東京都千代田区大手町1−5−5
階数:地下6階、地上38階、塔屋3
構造:S(一部CFT)RC造、SRC
最高高さ:199.70m
敷地面積:11,037.84m2
延床面積:198,467.44m2
地域地区:商業地域、都市再生特別地区
建築主:みずほ信託銀行株式会社
設計・施工:大成建設

【建築的な視点】
・敷地が1ヘクタール以上あり非常に大規模建築です。容積率は約1586%で、今回の許容容積率は1600%なのでほとんど使っています。特区で容積率1,300%のところをホテル用途を入れてさらに300%割増しています。さすが大手町というべき容積率です。

33階にあるホテルを象徴するエントランスロビー

ホテルまでは大手町駅から向かいました。改札階である地下2階から地上1階へエレベーターで行き、1階からホテル専用エレベーターで33階へ行きました。

1階のホテルエントランス。33階が受付。

1階のエレベーターホール。このエレベーターで33階に向かう。

33階に到着すると4層吹抜けの象徴的なエントランスロビーが現れます。このロビーでも食事ができるようになっています。

雑誌で写真を見ることはあっても、実際にこの空間に体を置いてみると、モノの質感や視点の変化によって空間の濃度を繊細に感じられます。

やはり来てみて良かったと改めて思わされました。アマン東京の内装デザインはケリー・ヒルが手がけています。

床と壁は石貼でグレー調の色彩、膜天井となっているところは和紙で出来ています。「和」を感じられる素晴らしい空間だと思いました。

空間を仕切る梯子状のデザインウォールはあるものの、無駄な要素が無く洗練されたデザインです。

建築でダイナミックかつシンプルな大枠を作り、家具などのインテリアで親しみやすさを引き出しているように感じました。

皇居を見ながら過ごすレストラン「アルヴァ」

レストラン「アルヴァ」はエントランスロビーの先にあります。天井は木調ルーバーで、これも和の表現のひとつだと考えられます。

エントランスロビーとレストランの間に壁などの隔たりは無く同一空間にあるのですが、階段を3段上がる必要があります。

その僅かな3段という高さの違いが、それぞれの空間の境界として上手く働いていました。

奥がレストラン。3段の階段が見える。

座ったのが柱の近く席だったのですが、玄武岩の凸凹した質感がよく分かりました。窓際には空調吹き出しのグレーチングがあり、外にはメンテナンスデッキがあります。

柱は玄武岩。床は空調吹き出し。外はメンテナンスデッキ。

窓際の座席からの外の景色は手前に皇居が見え、奥に新宿のビル群が見えます。

メンテナンスデッキ越しに外の景色が見える。

大手町は超高層ビルが多いので、ホテルからの眺望を売りにしていても、将来的に目の前にもっと大きな建物ができて視界が遮られてしまう恐れもあるのかと勝手に不安になってしまいました。

窓からは新宿方面が見られるので、レストランは西向きです。そのためにランチをしている途中から日差しが室内に入ってきました。

そう思ったら電動のロールスクリーンが一斉に下がってきました。スタッフさんにとっては日課だと思いますが、配慮の速さはさすがだと思いました。

ランチのサラダ。

今回食べたのはフルコースのランチだったのですが、どれも絶品でした。私はサラダが特に好きでした。

花崗岩貼りの30mプール

レストランを出た後、プールを特別に見学させていただけました。正直見学できるとは思っていなかったので非常に嬉しかったです。

プールは建物の角に配置されているので2面ガラス貼りでした。天空に浮かんでいるようなプールは神聖なものに思えました。

プールは基本的に縦に長いものですが、遠近感が効いてより長く見えると思ったら実際に30mも長さがありました。

オークラ東京に行った時のプールも25mでしたし、高級ホテルでもなかなか30mという長さは無いように思えます。

そして実は、このプールの詳細が建築雑誌「ディテール」で紹介されています。私も購入しましたが、他のホテルのディテールも載っていて、納まりを確認するのが楽しいです。


一般的な市民プールなどは樹脂製でできていますが、このプールは全面に花崗岩が貼られています

エントランスロビーのクオリティを崩さず、プールも石貼りとハイクオリティな内装になっています。

よく見てみると水の中に間接照明を仕込むということをしています。そんなニッチな納まりも雑誌には載っていました。

プールの下階の32階は構造切替階であり機械室があります。防水や止水の検討が大変だったことが伺えます。

水中には間接照明が仕込まれている。

ここは日中は爽快で眺めの良さを味わえ、夜は細部を演出するライティングを感じられる素晴らしい空間だと思いました。

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おわりに「非日常で極上の体験」

以上、アマン東京の紹介でした。ここでは普段は味わえない特別な体験をすることができました。まだ行ったことがない方は是非、この極上体験を味わってみて下さい。

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