宿泊客と結婚式で賑わう横浜のホットスポット|ハイアットリージェンシー横浜

ホテル

はじめに「たびたびハイアットに泊まる」

ハイアットリージェンシー横浜に宿泊してきました。ハイアットは外資系のホテルの中でも、よりブランドが確立されているホテルです。

以前パークハイアットニセコには宿泊したことはありますが、ハイアットリージェンシーは初めての宿泊でした。

ここは横浜ならではの眺望が生かされた宴会場やチャペルもあり、休みの日は結婚式のお客さんと宿泊客で混み合うほど人気のホテルです。

※今回はほぼ外出することなく、一日中ホテル滞在をメインに宿泊してきましたので、紹介したいと思います。また、建築士としての視点からも書いていきたいと思います。

スポンサーリンク

線美の際立つ外観デザイン

外観は基壇部と上部でデザインがくっきりと分かれています。

基壇部は重厚感のあるブラックの色相でまとめながらも、一つ一つの線が細いので軽さがあります。なので重厚感と線材の細さが上手くマッチしているように思います。

基本的にスチールで作られており、カーテンウォールも自動ドアもスチールで統一されていました。設計は国建が担当しています。

※国建は沖縄のプロジェクトが多いイメージですが、横浜もやっているということに少し驚きました。

先に建築概要を書いておきたいと思います。

ハイアットリージェンシー横浜 建築概要

住所:神奈川県横浜市中区山下町280-2
建築主:ケン・コーポレーション
設計:国建
インテリアデザイン:イリア
施工:フジタ
用途地域:商業地域
敷地面積:3,307.41m2
延床面積:27,903.42m2+1,495.49m2(既存棟)
階数:地上22階地下1階
構造:S造(一部SRC・RC)、制振構造
容積率:769.68%(許容容積800%)
最高高さ:74,885m
基準階高(天井高):3.3m(2.7m)
客室数:315室
駐車台数:108台
竣工:2020年

建築主のケン・コーポレーションと設計の国建、インテリアのイリアは2015年竣工のハイアットリージェンシー沖縄でもタッグを組んでおり、その流れで横浜も手がけたということかもしれません。

チェックインをした時間はたまたま結婚式のお客さんもいたため、エントランスは割と混雑していました。しかし、スタッフさんの数が多いため素早く捌けている印象でした。

人で賑わうエントランス

また、エントランスはそこまで広くはないのですが、2層吹抜けで天井が高いので圧迫感はかなり軽減されていました。

2層吹き抜けのエントランス

2階の廊下がレストランに繋がっており、人が通っている様子が下から分かるというのは、親近感を出すという意味で建築的に効いていると思いました。

よく建築だと立体的な変化を出して人の視線を通すという考えがありますが、ここの空間を体験することでその意味がしっくりきました。

エントランスの場合、親近感がなければ緊張感が増してしまう気がするので、上手い設計だと思いました。

ガラスの壁でもダメで、やはりここのように腰壁が良いのだと思いました。

5台設けられた分速150mのエレベーター

チェックインを済まし客室へ向かいます。エレベーターホールには5台のエレベーターがありました。

低層と高層でバンク分けされているのだろうと思ったら、全てが各階停止でした。

そもそも5台もあるのは宿泊者としては有難いですが少し多いのではと思ったところ、それは意図的に増やしていたのでした。

それは最上層の20階と21階に式場や宴会場があり、その利用者も同じエレベーターを使うからです。

その結果、結構待つことが多いホテルのエレベーター問題はこのホテルでは全くなかったです。

しかもエレベーターの速度は分速150mと早いです。あまり気がつきにくい所かもしれませんが、素晴らしく配慮された設計だなと思いました。

【補足】エレベーター情報
お客さん用:常用17人乗150m/min×5
スタッフ用:非常用17人105m/min、常用13人乗105m/min

秀逸な水廻り配置の客室「キングベッドルーム」

客室階の廊下は床に青いカーペットが使われていることもあり、涼しげな印象でした。

壁・天井はクロスで、壁のクロスは縦のストライプ柄で建物全体のデザインと合っていました。

客室階の廊下

今回宿泊したのは、一番オーソドックスなキングベッドルームです。一番小さな部屋ですが、それでも37m2もあります。

金額は朝食込で38,000円でしたので他のホテルと比較しても割安感がありました。

キングベッドルーム

設計の参考になったのは、オープンカウンターの洗面台です。住宅でいうLDKのオープンキッチンの部分が洗面台なのです。

しかもその空間は引き戸で閉ざすこともできました。引き戸を開けて一体として使った方が部屋は広く感じます。

反対に洗面所で着替える時やトイレを使用する際に閉めたいというニーズもあると思いますので、すごく理にかなった工夫だなと思いました。

洗面扉を開いた時

洗面扉を閉じた時

また、床材の貼り分けもデザインされていました。寝室はカーペット、廊下はフローリング、洗面は磁器質タイルで、それらがステンレスの見切りで貼り分けられていました。

壁・天井はクロスですが、壁は横筋の入ったものでした。

貼り分けられた床材

壁のクロス

そして浴室が広かったです。メーカーは小泉のもので、オーバーヘッドシャワーで、水栓はハンスグローエのものでした。

浴室

部屋は眺めがいいかと思いきや、向かいの神奈川芸術劇場が真正面にあり、眺望という点ではいまひとつでした。

客室からの眺め

スポンサーリンク

エレガントなバーラウンジ「THE UNION BAR AND LOUNGE」

夜は1階のバーラウンジでお酒をいただきました。昼の印象とは一変して大人のための空間のようになっていると思いました。

バーカウンターの上にあるシャンデリアが豪華で、特別感を強めていました。

バーカウンター上のシャンデリア

また、床のカーペットが雰囲気の中心を担っていて、夜はよりシックな印象となっていました。

夜はシックな雰囲気に

ちなみにこのバーラウンジはより宿泊客以外の一般客にも使ってもらえるように大通り側に配置したそうです。そのためか、昼間はカフェタイムの利用者も多く周辺は賑わっていました。

カジュアルなオールデイダイニング「HARBOR KITCHEN」

朝は2階にあるオールデイダイニングでビュッフェをいただきました。

エレベーターを降り、エントランスの吹抜けの方に向かい、左に曲がるとあります。

お店の入口から一番奥まで結構距離があり、その間に食事が並んでいました。和食・洋食はバラエティに富んでおり、料理も美味しかったです。

また、ただ広いだけの空間という訳ではなく、床・天井で縦長を強調させており、窓側・部屋側の空間が上手く作られていました。

店内はファミリー客が多く、大変賑わっておりました。

式場など、豊富な館内施設

先ほど紹介したレストランの他にもまだまだ館内施設はあります。

全体の施設は次の通りです。

【館内施設】

1階:レセプション、MILANO GRILLTHE UNION BAR AND LOUNGE
2階:HARBOR KITCHEN
3階:REGENCY CLUBGYM
20階:GRAND BALLROOMMEETING ROOM
21階:CRYSTAL CHAPELSKY BANQUETTHE DRAWING ROOM

3階のジムはフローリングなのがいいなと思いました。一般的に長尺塩ビシートのところが多いですが、フローリングだと体育館のような懐かしさがありました。

3階のジム

21階にはチャペルとバンケットがありますが、その前の廊下には式場らしい洗練された爽やかさがありました。

奥のロビーは真っ白でそこに外の光が入ってきてとても明るかったです。ここが人気の式場というのも頷けます。すごく晴れやかな気持ちにさせてくれます。

ちなみに21階は式場という神聖な空間を作るため、無柱空間となっています。それを構造的に解決したのがフィーレンデールトラスです。

また、この建物の構造的な特徴としては、15階まで伸びるCFT柱(鋼管の中にコンクリートを充填した構造)や中間層の制振装置、そして既存杭の干渉を避けるために偏芯させた杭の応力に抵抗するための3mのマットスラブがあります。

20階にもより大きなバンケットがあり、その前のホワイエは客室階の廊下と同じくブルーのカーペットで、来客をワクワクさせるような明るく開放的な空間でした。

バンケットやチャペルの中までは、タイミング的に見られませんでした。

スポンサーリンク

おわりに「ホテルで有意義な体験を」

以上、ハイアットリージェンシー横浜の紹介でした。

良いホテルに泊まると必ず新たな発見があります。それは建築士としての視点でももちろんですが、利用客としてこうした方が使い勝手が良いとか、ストレスがないとか、結局それが設計という視点まで立ちかえるのですが、非常に勉強になりました。

一般の人でも将来家を購入する際の参考にしたり、今の家に要素を取り入れてみたり、そういう意味でもホテルに泊まるという行為は有意義なものだと思います。まだ行ったことがない方はぜひ一度泊まってみてください。

タイトルとURLをコピーしました