はじめに「カフェを中心に建物紹介」
“虎ノ門ヒルズ ステーションタワー”は2023年10月にオープンしました。
その翌月、11月に見学しに行ってきました。
まだ準備中のテナントが多い中、恐る恐る8階にあるカフェに行ってみました。
すると、そこは眺望が良く、広く、そして現代風の内装デザインであるにも関わらず、かなり空いていて驚きました。
東京ではカフェ難民になることが多いですが、このような空いているカフェを見つけることができ嬉しかったので紹介したいと思います。
・この記事ではカフェの紹介を中心に、建築士としての視点から建物内部やその周りについて書いていきたいと思います。

いつまで穴場でいられるか、TOKYONODE CAFE
2階からエレベーターに乗り8階に着くと、そこはほの暗くデザインされた空間でした。
この先に何が待ち受けているのだろうという期待感と不安が入り混じったような感覚になりました。



先に進むと開放感のあるカフェが現れました。ここが今回紹介する”TOKYONODE CAFE”です。

ちなみに、この虎ノ門ヒルズ ステーションタワーでは情報発信拠点として「TOKYONODE」と名づけ、アクティビティを発信しています。
そのため建物内の様々なフロアに、TOKYO NODEの施設があります。
【TOKYONODEのあるフロア】
49階:TOKYONODE SKY GARDEN & POOL
46階:TOKYONODE HALL
45階:TOKYONODE GALLERY
8階:TOKYO NODE LAB
今回は8階にあるカフェをメインに紹介したいと思います。
カフェは広く、ゆとりを持った座席配置で、家具も窓際や店内中央ゾーンで色々なものを使っています。

床や壁は流行りのグレーでまとめ、天井は露出配管で、軽量天井下地が組まれているところに照明がついています。
キッチンのあるところだけオレンジ色の天井が貼られており、空間の中心性がうまく演出されています。

壁と露出天井の取り合いのところはゆるく納めており、むき出しの石膏ボードも見られました。

行ったのが平日ということもありますが、店内はかなり空いていました。
このくらい居心地の良いカフェですと、パソコン作業をしにくる人も多いように思いますが、2人いただけでした。非常に穴場です。

注文方法はQRコードを携帯で読み取って、メニューから選択し注文します。

お酒もメニューにありました。
驚いたのがこの立地でコーヒーが600円という安さです。

海外のカフェをたくさん見てきていますが、この立地や店のクオリティだったら1000円くらいしてもおかしくない気がしました。
この穴場感に非常に驚いたため記事にしようと思いましたが、正直すぐに人気の店になるような気がしました。
※フリーWi-Fiも当然のようにありました。
さすが虎ノ門ヒルズの看板を掲げていることもあり、トイレのデザインも洗練されていました。

まだまだ準備中のテナントが多い2023年11月
実は7階はオフィスのエントランスロビーになっており、8階とはエスカレーターやエレベーターで繋がっています。


7階にはセブンイレブンやスターバックスもあります。
8階のTOKYONODE CAFEは空いていたので、スターバックスも空いているかと思いきや、そちらは混んでいました。


TOKYONODE CAFEが空いていたのも、建物全体としてまだ不完全であることが要因だと思います。
テナントがまだまだ入居していないのです。
地下は地下鉄直結なので人の行き交う様子は見られましたが、行った時はB1〜5階まで「開業準備中」と書かれている店が多かったです。

テナントが入居していないため、2階から上がるエスカレーターも封鎖されていました。

・これからテナントが入ってくるとより建物全体に活気が出てくるのだと思います。
また、営業しているテナントがあるフロアは自由に行き来することができました。
貸切かのように人がいなかったので、ゆっくりと建築見学ができました。



どの階も少しずつデザインが異なり面白いです。
特にエレベーターホールには壁にカラーが使われているのですが、階によって異なっており、ピンクや黄色、青など様々でした。



眺望もよい45階のTOKYO NODEへ
8階からは45階のTOKYO NODEフロアへも無料でアクセスすることができます。
高層階に向かう前の人々の受け皿として、8階のロビーには広々としたゆとりがありました。


エレベーターへ向かう通路は床壁天井に細い照明があり連続しているので、遠近感が歪んでいるような感覚でした。

そんな通路を抜けるとたくさんの直通エレベーターがあります。

45階に到着すると、そこは東京の街を一望できる空間が広がっていました。

東側は間近にアンダーズ東京の入る虎ノ門ヒルズ 森タワーがあり、西側には新宿の高層ビル群が見えました。


普段ですと展示を開催しているようですが、ちょうど展示の入れ替わりのタイミングだったため人は少なかったです。
45階フロアにはTOKYONODE GALLERYやTOKYONODE DININGもありました。


虎ノ門ヒルズのまちづくりを感じる
建物を見終えて西側の外に出ると、2階部分で隣の建物、”虎ノ門ヒルズ 江戸見坂テラス”にデッキで繋がっていることが分かりました。


公式HPの図面が分かりやすいので載せておきます。

デッキの繋がりを東側から順に記載すると、
・虎ノ門ヒルズ 森タワー(竣工:2014年)
・グラスロック
・T-DECK
・虎ノ門ヒルズ ステーションタワー
・虎ノ門ヒルズ
・江戸見坂テラス
というように繋がっています。

森タワーはその南北にあるビジネスタワーとレジデンシャルタワーにも繋がっているので、デッキ部分での回遊性が高いです。
・ビジネスタワー:2020年竣工
・レジデンシャルタワー:2022年竣工
さらに西に目を向けると建設中の土地があり、その隣に”虎ノ門病院”があります。
虎ノ門病院の建物には、いかにも今後歩行者デッキを接続しそうな部分が見られました。


そのため、現在建設中の建物が完成すると、虎ノ門病院の西側である溜池山王駅方面までデッキで歩いていけることになりそうです。
そんな発見がありました。

おわりに「東京の違う一面を発見」
以上、虎ノ門ヒルズ ステーションタワーの8階にある穴場カフェ”TOKYONODE CAFE”と建物見学の紹介でした。
東京ではカフェ難民になることが多いので、このように空いていてかつ雰囲気の良いカフェを見つけて嬉しくなり思わず記事にしてみました。
カフェについての紹介のつもりが、気付けば建築的な内容も多くなってしまいました。
建物には新築らしい雰囲気を感じられ、東京の違う一面も見ることができます。TOKYONODE CAFEはおすすめの場所です。
設計:森ビル(株)一級建築士事務所
建築デザイン:OMA(重松象平)
施工:鹿島建設
構造:S造(一部SRC、RC造)
階数:地上49階、地下4階
竣工:2023年7月
開業:2023年10月