一級建築士の独学合格のためのテキスト

仕事・資格

はじめに「法改正により受験しやすくなった」

2020年3月の法改正により、一級建築士の受験資格は実務経験を必要とせずとも得られるようになりました

受験のパターンはいくつかありますが、大きな変更点は建築の指定科目を履修し、大学を卒業したら一級建築士を受けることができるようになったことです。

つまり大学院生や、社会人1年目でも資格を取る(合格状態になる)ことが可能です。

これまでは2年間の実務を経る必要があったので、法改正によって今までより多くの若い人が建築士の受験をしています。

※この記事では、独学で建築士を取りたいという人に向けて、実際に私が独学合格した際に使ったテキストを紹介したいと思います。
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独学で一級建築士を受験する人に向けたおすすめテキスト

一級建築士の資格を取るのには、ほとんどの人が資格校に通います。ですが、自力でやってみようという人も多いはずです。

私は学科から製図まで市販のテキストによる独学で、運良く一発で受かりました。

独学者の合格のためにはテキスト選びは非常に重要になってくると思います。

本屋でじっくり吟味することを推奨したいですが、私が実際に使用したテキストとその評価も参考にしてもらえたら幸いです。

テキスト選定の要点

・本屋で自分が勉強しやすそうなものを選んだ
→私の場合は文字だらけだと頭に入らないので、図や写真が多いもの
・選んだテキストはエクスナレッジ、総合資格、日建学院と出版社(編集社)もバラバラ

ラクラク突破の1級建築士スピード学習帳

この本を選んだ一番の理由は、学科の勉強内容の全てが一冊にまとまっているからです。

一級建築士の試験範囲は非常に広いため、書店に行くと試験科目の「計画・環境設備・法規・構造・施工」がそれぞれ1冊ずつ売っているようなものを見かけました。

しかし覚えるために計5冊もやらないと思うと、自分のモチベーションが下がるため、1冊にまとまった本を探しました。

中でもエクスナレッジの「ラクラク突破の1級建築士スピード学習帳」は一冊に全て入っているため、自分にとってドンピシャのテキストでした。

しかし当然ながら次のような疑問を持つかと思います。

「一冊という分量だから、たいして中身が充実していないのではないか」ということです。

それについては、むしろこの本の場合は要点を的確に拾っているので、知るべき内容は網羅されています。

私は学習テキストはこのテキストしか使っていません。あとは過去問を解けばおおよその力は身につくと実感しました。

[本書の使い方の提案] 5分割

・1冊であっても持ち運ぶ際には重いです。思い切って本を分野別に計5分割して、外で勉強する際は、その日に使う部分だけを持って行っていました。本を解体するのは気が引けましたが、製本シールでまとめると案外いい感じになりました。

体系的な知識を取り入れるテキストは最も重要。エクスナレッジは非常におすすめ。

1級建築士試験 学科 過去問スーパー7

過去問を解くのは試験において必須のため、購入しました。もちろん他の出版社からも過去問は出ていて、中身にそれほど差はないと思います。

総合資格の過去問を購入した理由は、ちょっとした解説の読みやすさからでした。

過去問を買うのは必須だが、出版社はどこでも差がないと思われる。

1級建築士試験 学科 厳選問題集500+125

この厳選問題集を買うのは要注意です。

内容は全然申し分ないのですが、この問題集を解くタイミングに注意が必要です。

何故かと言いますと、この本は過去問から厳選された設問を解くわけなので、言うまでもなく過去に出た問題を解くということです(もちろん本番の試験で同じような問題が出ることはあります)。

つまり厳選問題集をやった後に過去問を解くと、既知の問題が出てくる状況が生まれ、過去問の点数による自分の力量を正確に測れないのです。

例えば、その年の合格ラインに達していたかという評価がしにくいです。なので、この問題集の使いどころは非常に難しいところです。

正直なところ、過去問に専念するだけでも良かったと思っています。買うのであれば過去問を解き終わった後がおすすめです。

問題集を解くタイミングに注意。過去問を一通り解いた後に買うのがおすすめ。

建築基準法関係法令集

法令集こそ自分の好みで選ぶべきです。法令集の違いを挙げてみると、次のようなものがあります。

・本の大きさ
・文字の大きさ
・文字の方向(縦書き・横書き)

そしてこれらは読みやすさに関わってきます。私の場合は日建学院の法令集を選びました。その理由は下記の通りです。

【本を選んだ理由①】本の大きさ

まず「本が小さい」という点です。実は2級建築士の試験の時は総合資格のA4サイズくらいの大きな法令集で受けたのですが、扱いにくかったというのが本音です。というわけで日建学院の小さなものにした訳ですが、実務をやっている今でも頻繁に使うので、この大きさでよかったです。

【本を選んだ理由②】文字の大きさ

そして「文字の大きさ(情報量)」です。文字が大きかったり、余白が多いと1ページに入る情報が少なくなるため、じっくり見比べながら選びました。結果、日建学院の法令集は自分にとって適度な情報量でした。

【本を選んだ理由③】文字の方向

最後に文字の方向(横書き・縦書き)です。私は参考書などでは横書き派なので迷わず選択しました。後から気がついたのですが、法令集で重要な箇所に線引きを行うときに、定規を使うのであれば横引きの方が線を引きやすいです。

法令集は、「本の大きさ・文字の大きさ・文字の方向(縦書き・横書き)」を考慮して選ぶ。

補足「法令集の線引きについて」

私の場合、法令集の線引きは、総合資格に通う知人が線引き用のテキストを貸してくれました。しかし実際のところ、線引きは市販のものを写しても、ネットから写してもなんでもいいと思います。

線の引き方は、ネットで検索すると、重要なところは「赤」で、ただし書き(ただし…は除く。等)は「青」でと書いてあったため、その2色で線引きをしました。

その上、過去問を解きながら重要だったり、自分が忘れやすいところは強め(太め)の線で引いたりして工夫していました。

その際の注意点は「文字は書かないこと」です。試験場でも書き込みをしていたために試験官に注意されている人はチラホラいました。

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おわりに「テキスト選びで失敗しないようにする」

独学者のテキスト購入費というのは、資格校の受講費が100万円としたらその50分の1の2万円程度です。

費用はかかりませんが、自分でテキストを選ぶという責任がある分、参考書選びで失敗しないようにと思い今回はテキストを紹介させてもらいました。

一級建築士は難関資格ではありますが、実務をやっていて思うのは、実務は試験の何倍も複雑で難しいということです。

しかし実務をするにしても、体系的な知識が整っていた方がいいので、一級建築士の試験というのは体系的知識を身につけるフェーズなのだと思います。

この記事が少しでも参考になればと思います。

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