建築

建築が作り出すグランクラスの空間「日立駅」

はじめに「デザイン監修・妹島和世」 2019年4月に茨城県日立市に行ってきました。 日立駅のデザインは妹島和世さんが監修をし、JR東日本建築設計事務所(JRE)が設計をしています。 デザインは全面的に妹島さんが現れていますが、駅舎プログラムの組み立ては専門性の高いJREの方が上手なのでしょう。 東西に橋をかける130mの直線通路 日立駅の特徴は130mもの直線通路が線路上部(地上8m)に橋をかける...
建築

ランドスケープと建築の対比と親密性「土門拳記念館」

はじめに「酒田駅で自転車を借りる」 2019年4月に山形県に行ってきました。 谷口吉生さんが設計した土門拳記念館は酒田市からやや離れたところにあり、車やバスで行く方法がメインです。 ただ調べてみると酒田駅でレンタサイクルをしているということだったので、それを利用することにしました。 しかも無料で貸し出しを行っているという情報がありました。 いざ行ってみるとその日はどうやらダイヤモンド・プリンセスと...
建築

岡倉天心の愛した五浦海岸を望む「茨城県天心記念五浦美術館」

むはじめに「大津港駅より」 2019年4月に茨城に行ってきました。 茨城はあまり行く機会がなく、そこには何があるのかピンとくる人も多くはないのではないかと思います。 建築というフィルターを通せば水戸、つくば、日立と見たい建物のある場所は次々に表れてきます。 しかし自分が最も見たかったのは内藤廣さんが設計した、この茨城県天心記念五浦美術館です。 敷地はJR常磐線の大津港駅から歩いて30分ほどのところ...
建築

地上に向かって流れる屋根「荘銀タクト鶴岡」

はじめに「鶴岡に一泊」 4月中旬に鶴岡に行きました。その頃には桜も既に散り始め、新緑が芽生え始めている、そんな時期でした。 鶴岡には始めて行きましたが、最近できたホテルに泊まりたいという目的もありました。坂茂さんの設計したスイデンテラスです。 そこに1泊し、旅で疲れた身体を癒してから荘銀タクト鶴岡へ向かいました。 駅の反対側にあるため、歩いて30分ほどの距離でした。荘銀タクト鶴岡の設計は妹島和世さ...
建築

内外に広がるサードプレイス的な駅舎「旭川駅」

はじめに「札幌から旭川へ」 4月に北海道に行ってきました。成田空港から行きましたが、新千歳空港まではLCCを使うととても安く行くことができるのでしばしば利用しています。 国内のフライトは国外に行くよりも搭乗してから離陸するまでが短いのがいいです。 約2時間飛行機に乗り、新千歳空港に降り立ちまず札幌に向かいました。 旭川は札幌からバスで向かったのですが、北海道では電車よりもバスで移動する方が安く、そ...
建築

技術、場所、時間の翻訳の上に成り立つ「内藤廣建築」まとめ

はじめに「尊敬する建築家」 私は「好きな建築家は?」と聞かれることがあったら、迷わず内藤廣さんの名前を挙げています。 いくつもの建物を見て、何人もの建築家の本を読んでみて、内藤さんの考え方が自分に一番響いてくるものがあるのです。 建築家とは奇抜さや前衛さが個性なのかと思っていた頃に、建築とはどういうものであるのかを教えてくれたのが内藤さんです。 東大で教鞭をとっていた頃に行なった講義の内容を書き起...
建築

明快な構造とコミュニケーションが発生する一体空間「公立はこだて未来大学」

はじめに「バスで大学へ向かう」 2019年4月に北海道の函館に行ってきました。 目当ては観光名所である五稜郭、というより公立はこだて未来大学でした。2000年に開学した比較的新しい大学で、情報系の学科のみあります。設計は山本理顕さんです。 山本理顕さんは、建築界のノーベル賞と称されるプリツカー賞を2024年に受賞した建築家です。丹下健三さんから始まり、日本で9人目の受賞者です。 大学は横津岳の麓に...
建築

向こう側を感じるワンルームの空間「福井県立図書館・文書館」

はじめに 2019年4月に福井県に行ってきました。 福井ではこの槇文彦さんの設計した福井県立図書館や、黒川紀章さんの設計した福井市立美術館、内藤廣さんの設計した福井県年縞博物館を見ることが目的でした。 そしてこの福井県立図書館は、以前に槇さんの作品集を読んだ時に一番惹かれた建物でもありました。 ※内観の写真は撮らせて頂くことができましたが、ネット掲載は禁止でしたので、記事内の写真は外観のみになりま...
建築

自己完結性と境界の明滅「金沢21世紀美術館」

はじめに「金沢をサイクリングで廻る」 2019年4月に石川県金沢市に行ってきました。 金沢は観光地として見所が沢山あり、建築というジャンルで切り取っても見て楽しめるところが沢山あります。 1日の中でなるだけ多くの建物を見るため、小回りの効く自転車をレンタルして廻ってみました。 そうすると自分の頭の中で街の様子が平面的に整理されていき、街という関連性の中で建築と向き合うことができるという利点もあると...
建築

湖に向けた情緒的な軸線「福井県年縞博物館」

はじめに「JR三方駅から湖の方へ向かって」 2019年4月に福井県に行ってきました。福井県の若狭町に最近できたのがこの福井県年縞博物館で、設計は内藤廣さんです。 ※実は若狭町の水月湖で採取された年縞(堆積物による縞模様)が7万年以上のデータを持っていたため、それが”世界標準のものさし”になったということで建設された博物館なのです。 北陸を中心に周遊する旅を電車でしていたため、年縞博物館には最寄の三...
スポンサーリンク