3階建て戸建住宅を勝手に設計してみた【ケーススタディNo.1】

設計

はじめに「設計の透明性をつくる」

以前から考えていたことがあります。「決してお金になるわけではないけれど、勝手に設計をやってみたらどうか。」ということです。

建築家の安藤忠雄さんは頼まれずとも勝手に考えて、行政に提案したことがあるそうです。私はそこまではいかなくても、もっと設計という仕事内容が一般の人にも分かってもらえるようにしたいと思っています。

それによって、一人一人が建物から街並みのデザインまで関心を持てば、住みやすいまちづくりに参加しやすくなるのではないかと思っています。

なので私は設計の透明性を持たせ、公開したいと思います。住宅が誰でも親しみやすい建築ですので住宅が多めですが、ビルや公共施設もやっていきたいです。

これらはいずれ家族や友人に設計を頼まれた時に、最高のものを作り上げるためのトレーニングでもありますが。

スポンサーリンク

東京23区、住宅地にある住宅の設計(ケーススタディNo.1)

住宅の設計フローを大まかに書いていきます。また、実際にプランやパースも公開していきます。

※簡易な設計ですので、実際の設計よりはかなりラフに行なっております。ご了承ください。

敷地選定

建物を設計するにも、どこに建てるかというのがスタート地点です。まずは敷地探しです。ケーススタディなのでどこでも構わないのですが、雰囲気のイメージのつきやすい、住宅地を選んでみました。

敷地はスーモで探せばたくさんあります。東京23区だと30㎡台の狭小敷地が多いですが、いきなり変化球をやるのは避け、ある程度敷地面積もあり、整形に近いところを選びました。

具体的な住所を載せたいところですが、設計を受注するための仕事ではないので伏せておきます。

条件整理

建物を設計する際には、その敷地の条件をまず整理します。用途地域や地区計画等の都市計画情報から、条例等、規模が大きくなればそういった条件は多くなってきます。

それらの条件を頭に入れながら、法律や条例に適合した世の中に建てられるものを設計していく必要があります。今回はもっとラフな設計をしたいと思いますので、大まかな条件だけで検討を進めます。

今回の主な諸条件は下記の通りです。

敷地面積:58.99m2
前面道路:東側4m、南側4m
用途地域:商業地域
指定建蔽率:80%
指定容積率:400%
防火指定:防火地域

住宅地ではありますが、商業地域に入っていますので、制約は厳しくないです。建蔽率は角地で防火地域であり、今回は準耐火以上の性能になるため、100%となります。容積率については、前面道路低減で4×0.6=2.4→240%となります。

プラン検討

それでは、住宅のプランニングの方に入っていきます。今回は標準的なプランとします。

【居住者設定】
・30代後半夫婦+子ども2(小学校低学年、高学年)

23区の敷地で、面積は広くないため、3階建ての構成にして寝室を計3部屋確保します。都内であっても車があった方が便利なエリアなので、駐車場も確保します。

プラン的には下記のようなイメージで考えていきます。

1階:ビルトインガレージ、主寝室(MBR)、トイレ
2階:LDK、トイレ、洗面所、浴室
3階:寝室(BR)×2、書斎

プランニングでは次のような構成を考えました。至ってシンプルかと思います。

モデリング、デザイン

次に、3Dソフトでモデリングをします。この作業によって建物のプロポーションを把握します。中の配置が外のデザインにも関係してきますので、プランがややラフな状態で一旦モデリングをしてみます。

上の絵がまず建物のボリュームになります。そして次に窓をつけたり、全体のデザインを検討していきます。デザインの種類としては、凹凸や面・線の強調、色分けなどあります。

それらは内観上ここに窓があった方がいい、外観上ここの方がいい、というのをプランとモデリングとで互いにフィードバックし合いながら同時に考えていきます。

建物の外観デザインは大切です。デザインというものが、余計に付加させる装飾のように考えている人もいますが、私はそうは思いません。以前はそう思っていた時期もあったのですが。建物をデザインするというのは、人でいうところの身だしなみを整えることと一緒だと思います。

また、敷地周辺に対するデザインのアプローチも大切です。採光をどう取るか、近隣と見合いにならないか、窓の位置は特に重要です。そういったことを考えながらモデリング、デザインをしていきます。

その結果として出来上がったのが、次の絵になります。

下の部分と上の部分でデザインを切り替え、開口部の位置を揃えました。そこまで主張は強くせず、だけれども固有性のある建物としました。

レンダリング

実は、先ほどのモデリングの絵では不十分なのです。最後にレンダリングをする必要があります。レンダリングとは、パースをきれいに仕上げる作業のことです。

モデリングした建物に最後にレンダリングをすることによって、よりリアルな印象になります。このレンダリングによって、質感や光の当たり具合がより鮮明になります。

先ほどのモデルを仕上げたのが以下の絵になります。全く印象が違うことが分かるかと思います。

これに近隣の建物が入っていたりすると、よりリアルに建てた時の様子が伝わります。今回は端折りますが、いずれそういったパターンもお見せできればと思っています。

スポンサーリンク

おわりに「設計の公開という試みをしてみて」

いかがでしたでしょうか。この記事を見ていただいたことによって、少しでも建築や設計というものを身近に感じてもらえたら嬉しい限りです。

このシリーズ、といってもこれが第1号なのですが、今後も続けたいと思っています。

タイトルとURLをコピーしました