はじめに「初フォーシーズンズ」
フォーシーズンズホテル東京大手町に宿泊してきました。
2020年にオープンしたホテルですが、初めて念願のフォーシーズンズに泊まることができました。
フォーシーズンズはカナダの会社で、アジア進出の第一号は東京の老舗ホテルである椿山荘だったのです。
フォーシーズンズはラグジュアリーホテルとして有名なブランドですが、プールやジム、レストランといった館内施設を贅沢に堪能してきましたので、紹介したいと思います。
この記事は宿泊客としてだけではなく、建築士としての視点も加えて書いていきたいと思います。
大手町駅直結の大手町ONEに入るホテル
フォーシーズンズホテル東京大手町は、大手町ONEという超高層ビルの最上層に入っています。
この建物は大手町駅と地下で直結になっており、地下から1階まで上がり、そこからホテル専用のエレベーターに乗ります。
1階の一角にポツンとホテル専用区画がある様子は、アマン東京とも似ているなと思いました。
またこの大手町ONEはホテルのほか、オフィス、レストランなども入っております。
ここで大手町ONEの建物概要を載せておきます。
【大手町ONE 建物概要】
住所:東京都千代田区大手町1-2-1
主な用途:オフィス・ホテル・集会場・飲食店・物販店舗・保育所・自動車車庫・地域冷暖房施設
建築主:三井物産・三井不動産
設計:日建設計・KAJIMA DESIGN
外装・オフィスデザイン:SOM
ホテルインテリアデザイン:DENNISTON
ホテルレストランデザイン:DESIGN STUDIO SPIN
施工:鹿島建設
用途地域:商業地域
敷地面積:20,864.31m2
延床面積:358,687.93m2
容積率:1,449.38%
許容容積率:1,450%
構造:S造、一部SRC、RC
階数:地上40階地下5階、塔屋1階(大手町ONE)
最高高さ:200.00m(大手町ONE)
延床が30万m2を超える規模の建物で非常に巨大です。
この大手町エリアは地区計画がかかっており、建物規模や空地(広場)はこの地区計画の基に成り立っています。
気になった方は隣のホテル、アスコット丸の内東京の記事をまとめた際に都市計画についても調べているので、良かったら読んでみてください。
東京の街を一望できるエントランスロビー
ホテルのレセプションは39階にあります。39階はこの建物の最上階になっています。
到着しエレベーターの扉が開くと、目の前に眺めの良い外の景色が現れます。
エレベーターの扉が開いた時のその景色は、コンラッド大阪にも似ているなと思いました。
そしてレセプションに向かいます。チェックインは大混雑だったため、近くのソファで待つことにしました。
ロビーに置いてあるソファはどれもゆったりとした大きさで、チェックインの忙しない様子も緩めてくれるようでした。
敢えてシティビューの客室を選んでみる
チェックインを済まし、客室へ向かいます。
39階がロビー階でしたが、客室階は34〜38階に入っています。
廊下はシックな雰囲気で、壁に設けられた目地のデザインが洗練されていてよかったです。
客室階は客室が建物の4辺にあり、廊下はロの字型の中にエレベーターや階段のための廊下が横切ったようになっています。
部屋番号プレートはミニマムで、呼び鈴と照明が一体となったデザインでした。
そして客室に入ります。中に入るとロールスクリーンが自動で開く仕掛けになっていました。
これはウェスティン横浜でも見られた仕掛けでした。
部屋はシティビューにしました。皇居ビューの方が眺めは素晴らしいのですが、隣接するアスコット丸の内東京に宿泊した際に味わっていたので、あえてシティビューにしました。
大手町に建っているだけあり、周りには同じような超高層ビルがたくさんあるので、開放感はそれほどありませんでした。
さらにはオフィスからの視線が気になってスクリーンを下ろしたりしていたので、常に外の景色が見られる状態にしたい人にとっては、皇居ビューの部屋の方が良いと思います。
部屋のインテリアはラグジュアリーホテルだけあり上品さがありました。ベッドの下やミニバーの下、テレビボードの周りに間接照明がありました。
また、寝室側と水回りが部屋に入って左右に区切られていました。
洗面所はベッセルボウルが二つあり、正面は全面鏡になっていて、そこに照明が埋め込まれています。
洗面所が広いだけで非日常感がありました。ベッセルボウルはおしゃれではあるのですが、手を洗う際に水が飛び散るので、使った後に少し気になるところはありました。
浴室は洗面所とガラスで隔てられていて、独立した浴槽が象徴的でした。
ビューバスになっており、ロールスクリーンを開ければ外の景色が見られます。
ユニークなのは隣の寝室との間が一部ガラスになっていたところです。閉塞感を感じさせないように配慮した設計になっていました。
そしてこれも初めて見たのですが、オーバーヘッドシャワーが天井に埋め込まれていました。
トイレは大理石張りでした。そして高級ホテルでは当たり前だと思いますが、呼び出しボタンもついていました。
鏡張りのプールの中で音楽を聴く
プールの他、ジムや大浴場、トリートメントルームはロビー階にまとまって設けられています。
客室階からは専用のエレベーターでプールやジムに向かうことができるので、例えばチェックインをする人達との動線は分けられています。
そのため水着の上にバスローブを羽織った状態で直接プールに向かうことができます。
プールは全長20mで横幅はあまり広くはありません。数組入っているとしっかり泳ぐ、というのには向いていないと思います。
逆にカジュアルに使う気持ちで行く人には向いています。プールの浴槽よりもソファで寛ぐ面積の方が多いです。
プールの中は金属板張りで鏡のようになっているので、終端が分かりにくくなっていることに注意するようにと、使用する前にスタッフさんから注意喚起がありました。
そして水の中に潜ると、音楽が水の中でも聞こえるようになっていました。
これは以前にパークハイアットニセコでも同じ体験をしました。水の中でも音楽が聞こえると気持ちはより安らぐように思えます。
傍にはジャグジーも設けられておりました。
プールの後は更衣室に向かい、そこで脱衣し大浴場を利用しました。
大浴場の中には広々したシャワーブースやサウナ、ミネラルウォーターやタオルの置かれた棚がありました。
浴槽の正面はガラス張りになっていて開放感は抜群ですが、近くにビルがあるので見られていないにしろ多少は気になるかもしれません。その点に配慮してスクリーンは下ろせるようになっています。
トレーニング器具の充実したジム
ジムは今回の宿泊で2度利用しました。こちらは他に利用客もいましたので、写真撮影をすることはできませんでした。
主に利用したのはトレッドミルでしたが、他にもトレーニング器具はたくさんありました。
使い方が分からないものはスタッフさんが教えてくれました。
良かったのはバナナやドライフルーツ、ナッツが置かれていた点です。これは初めて見ました。
ミネラルウォーターは大体置かれていますが、軽食が置かれているのはいいなと思いました。せっかくなので頂きましたが、ドライフルーツが美味しかったです。
デニッシュが絶品の贅沢モーニング
朝食の会場はPIGNETOというイタリアンレストランが基本なのですが、混雑しているということで会場が2つに増えていました。
今回利用させて頂いたのはESTというフレンチレストランの方でした。
こちらのレストランを案内いただけて非常に良い経験になりました。他の人にもこちらのレストランをおすすめしたいくらいです。
客席までは長い廊下を進んでいくのですが、とてもワクワクするような世界観が作られています。
店内はフレンチレストランさながらに、白を基調として作られていて、パリに泊まっているような雰囲気で素晴らしかったです。
店員さんの接客も素晴らしく良く、朝を気持ちよく迎えられました。
朝食のメニューは和洋中から選ぶことができたので、洋食のアメリカンブレックファストにしました。
今回食べたのは、パン・フルーツ・ヨーグルト・サラダなのですが、その空間も含め高いお金を出してでも食べたいと思える美味しさでした。
中でも忘れられないのがデニッシュです。行った時には2種類のデニッシュがありました。
りんごのデニッシュと桃のデニッシュです。デニッシュ生地がサクサクで、果物はフレッシュで全体の甘さもちょうど良いです。
どこかで買えないもいのかと思ったほど美味しかったので、ぜひ食べて見ることをおすすめします。
レストランの奥にはテラス席もあり、ランチやディナーではここでも食べられると思います。
おわりに「夜は大手町ONEのレストラン街で」
以上、フォーシーズンズホテル東京大手町の紹介でした。さすがフォーシーズンズというべきクオリティで大満足でした。
行ったタイミングは祝日でしたが運が良く、朝食込みで45000円くらいでした。普通は60000円以上します。
夜は建物散策も併せ、大手町ONEの地下にあるレストラン街で食べました。ビジネスマンのためのレストランと行った感じですが、大手町的な清潔感もあり良かったです。
国内のフォーシーズンズはここ大手町の他、丸の内、そして京都にもあります。大阪と沖縄にもできる予定なのでそちらも泊まってみたいなと思いました。
※椿山荘は元々フォーシーズンズ・ホテル椿山荘東京という名前でしたが、現在はフォーシーズンズではなくなり、椿山荘東京になっています。