2018

建築

高知県産の杉で造った駅舎「高知駅」

はじめに「高知という町に上陸」 高知駅は「高知の玄関口」です。と言っても中心市街地からは徒歩10分以上離れたところにあって、賑やかさが駅周辺にはないところは以前からの課題なのだろうと思います。 高知や香川の駅舎で見たところは高架が多く、どこも線路と直交する通り抜け軸が貫いていて、駅中のベンチでは制服を着た学生たちが談笑しているという風景が印象的でした。 東京では駅がこういった溜まり場にはなりにくい...
建築

長いアプローチを楽しむ「狭山池博物館」

はじめに「狭山池は日本最古のため池」 狭山池博物館は大阪府の大阪狭山市にあります。わざわざ”大阪”と付いているのは埼玉県狭山市と区別するためなのでしょうか。 検索したら同じ疑問を抱いている人はすでにいましたが、正確なところは分かりません。 池という風景に対しての建築 敷地は日本最古のため池である狭山池に近接しています。設計は安藤忠雄さんです。 建物のボリュームは池や堤防、そして植樹された木々の自然...
まち

まち歩き編《香港・マカオ旅③》

はじめに 香港・マカオには初めて行きました。だからこそ、あらゆるモノが新鮮に見えてきて、それらはどれも興味深いものでした。 中でも面白く感じたものを中心にまとめてみました。このとき感じた香港・マカオはきっと10年後には、また違う雰囲気を纏ってくるような気がします。それでは紹介していきます。 竹足場 香港・マカオの建設現場では日本ではよく見かける鋼管の足場は見当たらないのです。その代わりに「竹」が使...
建築

マカオの建築編《香港・マカオ旅②》

はじめに マカオにある建築を紹介します。マカオはポルトガルの植民地であったため、その痕跡が建物として残っているのを見られます。 そしてマカオと言えば「カジノ」です。莫大な資本を投入して作られていく統合型リゾート施設は、普段あまり見られるものではないので新鮮に感じました。 ロバート・ホー・トン図書館 元々はポルトガル人の住宅であったものを香港の実業家が買取り、死後にマカオに寄付され近年図書館の新館が...
建築

香港の建築編《香港・マカオ旅①》

はじめに 香港にある建築を紹介します。香港は高層・超高層の建物が狭い地域に集っていたり、躯体がぼろぼろになった建物が立ち並ぶエリアがあったり、その差が大きいです。 名建築家の設計した建物も多くあり、観光は充実したものでした。意外と英語が通じなかったりするのは行ってみて実感したことでした。それでは紹介していきます。 あわせて読みたい マカオの建築編《香港・マカオ旅②》←マカオの建築に関する記事はこち...
建築

世田谷で巡る《前川國男建築》

はじめに 世田谷にある前川國男さんの設計した建物を見学してきました。行った場所は以下の通りです。 ・世田谷区郷土資料館(1964年完成。新館は1987年) ・世田谷区民会館(1959年完成) ・世田谷区役所第二庁舎(1969年完成) それでは紹介していきます。 世田谷区郷土資料館 世田谷区郷土資料館(1964年)です。 外壁の縦にリブのついたプレキャスト板は類似するものをあまり見たことがないように...
建築

立体的な楽しさの高揚「東京都美術館」

はじめに『公園は多様なアクティビティを内在させる』 東京都美術館は上野恩賜公園にあります。この公園一帯はなかなかに都市文化の密度が高い場所だと思います。休日だろうと平日だろうと人が集まってくる場所というのは素敵です。 様々に利用できるため、小さな野外コンサートを開いていたり、保育園の園児たちが集まって遊んでいたりしていて、公園というのは人間活動になくてはならない場所だなとつくづく気付かされます。余...
建築

展示をスキップフロアで繋ぐ「東洋館」

はじめに『モダニズム×寝殿造』 上野の東京国立博物館の一つとして「東洋館」があります。設計は谷口吉郎さん(1904-1979)です。 ここでは日本の寝殿造りの意匠をモダニズムの中に取り込んでいます。谷口さんは日本建築も設計をする人で、ディテールと空間の繋ぎ方が上手いです。 寝殿造りのディテール 東洋館は外部に現れる小梁や濡れ縁(簀子)、角の落とされた柱が寝殿造りを思わせます。 濡れ縁は休憩スペース...
建築

公園との接続を考える「世田谷美術館」

はじめに『世田谷の緑豊かな街並』 世田谷の街並みには緑が多いように感じられます。特に個人邸宅での樹木の割合が多いです。歩いていたら住宅の間に15mくらいの背丈の木があったりして驚きました。 そしてそこで発見したのが、その樹木という緩衝領域に向けた窓が透明ガラスで、かつカーテンも閉められていない住宅があったことです。 木のおかげで、通常気にする隣人へのプライバシーが緩和されるというとても理想的な形で...
建築

都市の軸線を考える「平成知新館」

はじめに 平成知新館は京都国立博物館の敷地内にあります。設計は谷口吉生さんです。 設計のPoint ・碁盤の目を踏襲した場所の軸線 ・水平横長のルーバー ・ライムストーンの壁 ・吹き抜けのホワイエ 敷地について 博物館全体のエントランスは南側にある三十三間堂からの南北の軸線上にあります。その延長線上に横に長い「平成知新館」が直交するように構えているので、縦と横の方向性がかなり強調されています。 ち...
スポンサーリンク